あしたまにあーな

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平清盛 第12回「宿命の再会」

2012年3月 25日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

少しずつではありますが、源氏の勢いが出てきて何となく嬉しくなりました。やはり物語を白熱したものにするためにはライバルという存在が必要であり、お互いに切磋琢磨することで人間的にも魅力的になって行き、世の中も良くなっていけばいいんではないかと思っています。

そういう意味で、今回東国から帰ってきた義朝はそのインパクト十分でした。片手には鳥羽法皇が求めていた水仙の花を携え、完全に清盛を出し抜いた形になります。義朝は東国の部下たちに命じて東北の山から取ってこさせたといっています。それに対して清盛は自ら原っぱの中を探し求めます。結果を出したのは義朝の方。部下をうまく使って結果を出した結果、上司から認められるという現代にも通じた統制の取れた手柄と言えます。きっと作者としても今回の義朝の活躍から、将来的に平氏と源氏が共に世の中を二分する大きな勢力になることを示していたのでしょう。そのフラグとして十分すぎるほどの登場シーンでした。

さらに、義朝や清盛のプライベートでも進展があります。明子を病でなくした清盛はしばらくふさぎ込んでしまいますが、それを必死で元気づけたのは時子でした。深田恭子という人選も雰囲気を良く出していていいと思います。それに対して義朝が自分の子供を産めというなんだか理不尽な言い方をしながらも求婚したのが由良姫でした。こちらは、田中麗奈でありキャラが少々かぶっているような気がしなくもないのですが、今後きちんと色分けされることを願っています。

そして、いつもドロドロな雰囲気になる王家関連の皆様ですが、今回は璋子が出家&病で倒れる、それを見た得子が慈悲深い発言を繰り返すことによって、なんだか穏やかで心温まる情景に早変わりします。病で床に伏せる璋子を心配して鳥羽法皇が水仙の花を探してまた取り乱します。このあたり、こういう人に国政を任せていて本当に大丈夫なのだろうかと思ってしまいますが、璋子への思いが今ようやくここで届いたと感じるべきなのでしょうね。実際、義朝の活躍によってGETした水仙を璋子に届け、璋子はそれを携えてあの世へ旅立っていきます。

得子は璋子を地獄へ落とすために色々と画策してきたのですが、結果として璋子は安らかな気持ちで旅立っていったのはなんだか皮肉なことです。こころなしか得子の表情も優しく見えたのは自分だけではないでしょう。そこは松雪泰子の演技をほめた方がいいかもしれません。

そろそろ、今後活躍しそうな人物もそろってきていて、物語も本格的に動き出そうとしています。ここまでの流れがすごくもどかしいと感じた人もいるとは思いますが、しっかりとした物語を作るためには必要不可欠だったと思います。そんな次回は平氏の初めての聞きが訪れます。どのように打ち払っていくのか楽しみにしたいと思います。

◆清盛紀行◆
京都府京都市
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平清盛 第7回「光らない君」

2012年2月 19日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

前回が出だしの大きな見せ場だったとすると、今回はその後にきた静かで次の大きな出来事への地ならし的な内容であったように思います。その次の大きな出来事とは何なのか分かりませんが、女性問題が大きく発展していくのではないかと思えるような予感をさせるものとなっていたような気がします。

まず序盤戦のサプライズは、今まで清盛を支えてきた漁師の鱸丸が、盛康の養子となって平盛国と名乗ることになったことでしょう。一漁師がここまで露出しているのは何でだろうと不思議だったのですが、これで納得がいきます。これから上川隆也さんは、汚れた格好ではなく武士としてきりっと登場することになるので、彼のファンの人は喜ぶことでしょう。

その後は、ほぼ一貫して清盛の女性関係の話となりました。まず始めに登場したのが、時子です。源氏物語をこよなく愛する彼女は、今の女子学生にありがちな夢見る少女でした。将来白馬に乗った王子様が現れると信じてきたのですが、その妄想を邪魔したのが清盛。幻滅すると共に、嫌悪感すら漂ってきます。こんな初めての出会いが最悪な人同士は、後でそのギャップを生かして恋愛に発展するフラグであることが多いのですが、ここではまだまだそんな話も聞こえてきません。

清盛が次に出会ったのが、高階基章とその娘の明子でした。街の中で転んでいた親子を助けるという、何ともありがちなシチュエーションな訳ですが、以前からあった清盛と高階通憲の事もあり、急速に話が盛り上がりやがては清盛も心を奪われていくことになります。

ここからは、何となく現代のありがちな状況をそのまま大河ドラマに導入しているように見えてきます。例えば、自分で告白することができない草食系男子が、イケメンの友人に代わりにラブレターを書いてもらうことをそのまま導入してみたり、与えられた身分の違いなども乗り越えてみせるという逆境から生まれた恋愛感情など、それはそれは数多くラブストーリーに出てきそうな状況が続きます。

前回までの骨のある内容から一変して、このようになってしまったのは不思議で仕方ありません。脚本を書いた人が変わってしまったのではないかと思えるほど。まるで前回のドラマの脚本を彷彿とさせます。大河ドラマで恋愛を描くのは、本当に難しいことなのかもしれません。下手をすると安っぽいドラマに簡単に見えてしまうのですから。

忠盛から結婚を許される清盛と明子なのですが、これによって格式の高い相手を探そうとしていた藤原家成の顔にも泥を塗る始末。これによって、忠盛の公卿入りも平氏自体のプレゼンスも大きく影響を受けていくことが想定されます。それを乗り越えて本当に清盛は平氏を盛り上げていくことができるのか、そんな課題を持って次回からの内容を楽しみにしたいと思います。

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平清盛 第6回「西海の海賊王」

2012年2月 12日 By: rainbow Category: 2012年_平清盛 No Comments →

前回の最後でものすごい戦いを予想させるシーンで終わった西海の海賊退治。今回はそのシーンを中心に大切な分岐点を織り交ぜるという内容となりました。

始めて一戦を交えた海賊と平氏は、完全に平氏の完敗に終わります。清盛の乳父である盛康は深手を負ってしまい、もはやこれまでかという瀕死の状態で戻るわけですが、その後もしっかりと意見していたので、なんとか元気になれたようです。

巨大な船が宋から来た唐船の威力を始めて知らしめられた平氏ですが、その唐船と棟梁を知りたいと思った高階通憲と清盛は二人で海賊船を探しに出ます。高階通憲が出てくると何となくバラエティー色が強まるような感じがします。始めて登場した際にユーモアあふれる状況であり、その後も雰囲気はそのままだったのも大きいと思います。そんな二人はこの理不尽な世の中に憂いを感じ、身分に関係なく実力がある人はどんどん登用しようという宋という国に行こうと意見が合います。この後に登場する兎丸にも共通する日本を何とかしたいという共通する思いと共に、この頃から考え方が同じような人たちが同士となり得る要素を含んでいたのかもしれません。

捕らえられながらも思い通りに唐船に乗り込むことができた通憲と清盛。そこで棟梁の兎丸に出会います。先日加藤浩次が登場するということが話題になっていましたが、実際に見てみるとすごく似合っています。話し方も途中から関西弁がばりばり出ていて、時代的にどうなんだろうと思ってしまうところもありましたが、雰囲気は良く出しているように思えました。

兎丸は、居場所がなくなった農民や漁民などを自分の船に呼んで、適材適所で仕事を与えていったことによって、自分を補佐する最高の部下を持てるようになっていました。志は違えど、この思いに感動した清盛は「この男と一緒に何か大きいことをやってやりたい」と思うようになっていったのだと思います。

このあたりのシーンは本当に迫力がありました。NHKのページを見てみると昨年の9月頃から撮影をしていて、CGなどを使わずに現場での撮影にこだわりがあり、見ていてぐっと引き寄せられるシーンが数多くありました。大河ドラマはやはり大きな迫力をどこまで演出できるか、そういう側面もあると思うので、今回はこれぞ大河と思えるシーンを見ることができたと思います。

そんな兎丸に捕らわれた清盛を救うかどうか、忠盛たちは悩みます。助けにいってやられるようなことがあれば、この任務は完全に失敗に終わり平氏は終わり、そんなぎりぎりの選択の結果、出した答えは清盛を助けにいく、それも平氏全員で。これが一つの転換点となりました。

翌朝、つるし上げられている清盛を平氏のみんなが助けに来ます。ものすごい死闘の末、平氏は見事勝利。このシーンで、棟梁の兎丸と清盛の一騎打ちはものすごい迫力でした。約6分間、カットも入れずに二人の間合いが続きます。二人にとって、小さい頃から様々な思いを相手に対して思っていた関係であることがわかり、その思いが激しい戦いへとつながっていきます。兎丸は結果、疲れ果て双方倒れます。捕らえるように命じた忠盛に清盛は、この者たちの処遇は自分に任せてほしいと進言します。結果として平氏の仲間となった兎丸は、上記でも書いたように、はじめから仲間になる雰囲気を持ち合わせていたのかもしれません。

今回の最大のポイントは、今まで平氏のお荷物だと自他共に思っていた清盛ですが、自分のために全員で助けに来てくれる平氏を見て、自分は血はつながっていなくても平氏の一員であり、武士であると心から感じたことにあります。これによって、清盛は一つ大人になって平氏全体のことを考えながら大人な対応ができるようになるでしょう。

前回まで中心になっていた鳥羽院周辺の出来事は、今回は大きく進展することもなく次につながるのはもう少し先のことになりそうです。また、義朝も熱田神宮で後の頼朝の母となる由良姫と最悪の出会いをしています。周囲も少しずつ物語の導線を広げつつ、次回はどの方向に話が広がっていくのか楽しみにしたいと思います。

◆清盛紀行◆
広島県竹原市
 ?瀬戸内海
 ?耳無地蔵
 ?忠海