あしたまにあーな

毎日の生活に ほんのちょっとのうるおいが 届きますように



プロの残業術

2011年7月 20日 By: rainbow Category: ブックレビュー No Comments →

ノー残業の推進は今や企業文化の一つとして当たり前になってきました。自分の会社でもノー残業デーという緊急案件がある人以外はなるべく定時で帰りましょうという日があり、ほとんどの人が帰っていきます。このように、残業をしないことが善であり、残業をすることが悪で非効率的であるという考えが浸透して、これを疑う人がほとんどいなくなってきました。

しかし、残業をしないで定時で仕事を終わらせることばかりが真なのか、自分の中で疑問が残っていたのも事実でした。確かに、効率的に仕事を仕様とするのは正しいことですし、無駄な時間をなるべく減らすことは重要です。ただ本当にするべき残業があるのであれば、それはしっかりとこなし将来の自分にとって効果をもたらすものでなければなりません。

では、そのような効果を生む残業とは何なのでしょうか。その疑問に対して一つの方向性を指し示している数少ない書籍がネバダ・ジャパン・コンファレンス代表の長野慶太さんによる「プロの残業」です。自分は、この本のなかで引っかかっていたもののヒントを得たような感じがしました。

それは、残業をせずに定時で帰ることが必ずしも精神的にプラスになるものではないし、ビジネスの中でも一様に有益であるとはいえないということ。この本から学んだ考え方は以下の通りです。

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1. 中途半端で終わらせるのではなく、方向性を決めてから安心して帰るべし

定時時間にとらわれて中途半端で仕事を終わらせると、精神衛生上もよろしくないばかりか、鉄を熱いうちに打てなくなります。また優先順位を決めて高いものから仕事をするというスキームがよく語れられていますが、これだと毎日優先順位の高いもの(緊急かつ重要なもの)が次々とやってくる状況の中で、優先順位の低いものに手をつけることができずに、いつまで経ってもアウトプットを出すことができません。

なので、一定のめどを一気に残業時間の中で出してしまうことが大切なのです。そのための方法として、BBB(幅広さをもっと追求すべき)、DDD(もっと掘り下げるべき)、AAA(可能性を追求すべき)といった略語を使って、いち早く完成させる方法があります。

2. 残業時間は自分自身を成長させるための仕事をせよ

残業時間は自分を成長させるためと考え、定時時間内ではできないような、深く考えたり、情報を収集したりして仕事の付加価値を追求します。そのため、定時時間中は、とにかく手を動かすことができる仕事に集中することができるようになります。

3. 空腹で仕事をしない

空腹で仕事をしていると、いつか健康を害してしまいます。なので、時間を見積もって遅くなりそうなら必ず肉まん一つでもいいのでお腹に入れてあげる事が大切です。抜け出しにくい職場ならトイレに行くふりをしてでも食べろと著者は言っています。自分の職場はそこまでではないので、自分で判断して空腹を避けたいと思います。

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このように、残業は長期的に見ると自分を高める有効な方法であることがわかります。もちろん、世の中にある残業をしない技術についても、無駄を排除して効率的に仕事をするというところはくみ取るべきところだと思いますが、本筆者も言っているように「考える」という行動に効率化はできません。じっくりと考えて結論を出すことができる環境は、静かで自分の仕事に集中できる時間しかないのです。

イギリスの歴史学者パーキンソンは、「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて使い切るまで膨張する」というパーキンソンの法則を示しています。つまり時間はあればあるだけ使ってしまうので、区切りが必要だということになります。

この考え方はすごく大切です。そのためにも「このくらいの仕事であれば、2時間でできる」という目安をあらかじめ立てることが重要だと思います。その見積もりを正確にたてるためにも、スキルやノウハウが必要であり、それはやってみるしかないのです。その経験の積み重ねが人を成長させるのです。

そう考えると、残業に関する考え方を少し変えてみる必要がありそうだと、思えるきっかけを与えてくれた著書となりました。

プロの残業術。 一流のビジネスマンは、時間外にいったい何をしているのか? プロの残業術。 一流のビジネスマンは、時間外にいったい何をしているのか?
(2009/08/22)
長野慶太

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定時退社を成功させる秘けつ

2010年5月 01日 By: rainbow Category: ビジネス No Comments →

不況のあおりを受けて残業時間を減らすようにいわれている企業も多いと思います。無駄な残業はもちろんするべきではないですが、本来やるべき仕事が残ってしまうのも考えもの。効率的に仕事をすることができれば、残業をしなくてもいつでも定時退社することができるとは思いますが、それを実践できている人は自分も含めてなかなかいないのではないでしょうか。

ただ、残業を減らすことができないと嘆くだけではなく、どうすれば残業を減らして定時退社をすることができるか、そのことを考えてみたいと思います。残業を多くしたから評価が上がるというのはすでに古い考え方となり、いかに与えられた時間内で計画的にこなし、最大限の効果を得るかが評価の対象になりつつある今、定時退社は自分のためだけでなく、家族のため、周囲のためにもなる重要なことになっているのです。

◆絶対に早く帰りたくなるような楽しい予定を入れる
定時退社をするための基本と言えるのがこれ。時間外に楽しい出来事を入れておくのです。コンサートライブでもいいですし、子供と一緒に遊ぶ約束をするでもいいでしょう。人間は基本的に追い詰められると、ものすごい能力を発揮します。残業時間もあるからという「甘え」が無意識のうちに働いてしまうのです。それをできない状況に強制的に持っていくことによって、集中力を高めることができるのです。

◆仕事の量を減らす
すこし語弊があるかもしれませんが、今やっている仕事そのものを減らすのではなく、ちょっとした工夫ができないかを始めに考えてみるのです。資料を作っているのであれば、始めに1枚しか作らないと決めてしまうといったように、質を変えずに量を減らす方法を模索するのです。また、本来であれば資料を作らなくても口頭やホワイトボードで説明すればいいようなものもあるかもしれません。その資料、本当に必要かな、そんな疑問を持つのも大切でしょう。

◆朝を有効に使う
早朝の残業までする必要はないと思いますが、朝は、ほんの30分の時間でも色々することができます。今日一日何をいつ頃にしようか、メールで重要なモノを返しておこう等、他の人が出社して依頼をされる前に自分の仕事について方向性を定めておくと、スムーズに仕事に入れます。

◆定時退社仲間を作る
定時退社をするときに気になるのが周囲の目です。「彼は仕事が暇なんだ、彼だけ・・・」と冷たい視線は、なるべくなら避けたいものです。組織全体での定時退社日であれば問題ないのですが、そうでないときには誰か仲間をつくるといいでしょう。2人で帰ることが厳しいのであれば、その仲間で曜日を分担して助け合うのです。そうすることによって冷たい視線は緩和されるでしょう。

仕事に対して、すぐに効率的に行なうことはなかなか難しいのが現状です。そんなときには自分が抱えている仕事に対して優先度をつけて、明日でもいいと思えるモノは明日に回し、今日やっておくべき事、大切なことを集中して片付けるよう意識するといいと思います。自分の時間は仕事だけではありません。家族や友人のメンバーとしての自分でもあるのです。そういった人たちへの時間も大切にしたいですよね。

【参考】All About
http://allabout.co.jp/career/careersales/closeup/CU20070124A/


魂の言霊。書道家が書く漢字Tシャツ。今までここまでカスタムメイドできるTシャツがあったか?…

残業せずに帰りたくなる音楽

2009年5月 30日 By: rainbow Category: ニュース No Comments →

日本は昔から残業に対して美徳とする風習が残っています。たくさん残業をすることによって仕事に対して熱心であるという印象を付けられる、仲間が残っているのに帰るとマイナス効果などの要因があるのですが、今の時代においてそれは完全に崩れつつあります。

一言で言うと「ワークライフバランス」なのですが、自分の時間をたくさん持ちその中で自分を磨くための時間をたくさん持つことの方が仕事の面でもプラスになるという考え方です。確かに残業をせずに効率的に仕事をすることができれば、空いた時間を家族と楽しく過ごしたり、勉強をしたり、趣味に充てたりすることができ、結果として毎日が楽しくなりますよね。

さらに企業の業績悪化をうけて、残業を減らさせる方向にあることも追い打ちを掛けて、ノー残業デーの時間を設け、その日は照明が消えてしまったり、残業申請が厳しくなったりする企業も増えてきました。その中で大阪市の取り組みには目を見張るものがあります。

大阪市の庁舎では、午後8時半になると優しいハープの音色で郷愁を誘うスコットランド民謡の「ロッホ・ローモンド」が2分間ほどスピーカーから流れるそうです。この午後8時半という時間は定時退庁時刻を3時間オーバーしていることを知らせるものとのこと。

この音楽を聴くことによって段々寂しくなって「なんでこんなところで一人で仕事しているんだろう。早く帰って暖かい家族に触れたい」と無意識のうちに感じさせるのが意図のようですが、残念ながら科学的な根拠はないようです。

しかし、音楽の効果は確実にあると思います。例えば閉店間際のお店で「蛍の光」が鳴り始めたら、そろそろ閉店であることが分かり早々に店を出るでしょう。直接「まもなく閉店です。出て下さい」というよりもよっぽどセンスがあります。おそらくこれと同様の効果を期待しているのでしょう。

この施策がどの程度効果があるか分かりませんが、その効果の出具合によって今後他の企業でも採用されていくと思います。さらにこの音楽作戦が失敗に終わった場合には、スコットランド民謡からハードロックやヘビメタの音楽が大音量でエンドレスで流れ始める施策を考えているのかもしれません。

【参考】YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090530-OYT1T00435.htm

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