あしたまにあーな

毎日の生活に ほんのちょっとのうるおいが 届きますように



しあわせのかたち

2011年5月 23日 By: rainbow Category: ニュース No Comments →

あなたさえいれば、私は幸せ、もう何もいらない・・・

恋愛ドラマにありがちなセリフですが、その一瞬本人は本当にそう思えるのだから仕方ありません。この人にとって「あなた」以外は本当にいらないのかといえばそうではなく、欲しいものはたくさんあります。

人は、様々な欲求を抱きながら毎日を生活しています。それらの欲求が満足される度に人は満足感を覚えるのですが、その1秒後にはさらなる欲求が生れます。それは人間にとって当たり前のことなのですが、その刹那の満足感に人は幸せを感じるのかもしれません。

このように人によって抱く欲求は異なることから、その「しあわせのかたち」も人それぞれで何か標準的なものさしで測ることなどできないと考えられてきました。

しかし、人がこういったあいまいなものを許したくないという「欲求」が存在するのも確かな訳で、このたび政府は国民の豊かさを測る指標として「幸福度指標」について原案を作成しました。幸福度指標は国内総生産(GDP)では測定できない指標を集めたもので、国民が幸せかどうかを判断する際の物差しにするというのです。これを経済協力開発機構(OECD)に提案して、世界共通とするのが狙いだといいます。

幸福度指標は、健康、経済状況、人間関係の大きく3つの分野から成り立っていて、それぞれ6項目から10項目の個別指標から成り立っています。詳細は以下の通り。

◆健康
 ・ 平均寿命
 ・ うつ病患者の人口比率  等

◆経済状況
 ・ 低所得者の比率
 ・ 住宅の質   等

◆人間関係
 ・ 地域活動の参加率
 ・ 個人的な相談相手がいるか  等

内閣府のWebページにある「幸福度に関する研究会」の検討状況によると、このような幸せを指標化する試みは1970年代から行なわれているそうですが、実を結んでいないのはどんどん価値観が多様化してしまっていて値を算出すること自体は容易なのですが、それが実生活に何の影響力も持たない陳腐化された値になってしまうことを危惧していたからなのではないかと考えています。そう考えると、今回この値が国際的に統一的に語られるような方向にもっていけるのかということも懐疑的にならざるを得ません。

それでも、指標化することのメリットはあるはず。という訳で、上記の研究会の開催趣旨を見てみると次のように書かれています。

「新成長戦略」(平成22年6月18 日閣議決定)に盛り込まれた新しい成長及び幸福度に関する調査研究を推進するため、有識者からなる「幸福度に関する研究会」(以下「研究会」という。)を開催する
【幸福度に関する研究会 設置根拠 より】

閣議で決定したから検討する、としか読むことができないため、この指標を使ってどのように自分たちの生活が良くなったり、幸せになれるのかが分かりづらい状況です。政策に反映するのは分かるのですが、人それぞれのしあわせのかたちを指標化したものがどこまで政策に反映できるか、イメージできる人は多くないでしょう。

ではどうすべきか、それが大きな課題でもあります。幸福度指標を作るのであれば、それに見合った効果を得ることが求められます。国際的に値を比較し合うのではなく、地域ごとについて算出をしながら、地域の独自色を作りだしていくための指標値として利用するのがいいのではないかと思います。例えば、A市では他地域よりも地域活動度合いが高く、コミュニティーが形成されている、なのでそういったことを求めている人はA市に移転してはどうか、等の利用方法があるでしょう。

よく、ビジネス系の週刊誌などでランキングが発表されますが、それに近いものがあるかもしれません。そうして市民が自分にとって何を最重要視するかを選び、行動するための指標値となれば、有意義に活用することができるのではないかと思います。

政府が今後、この幸福度指標をどのように国際社会で利用していこうと考えているのか、しっかりと確認していきたいと思います。

【参考】
・日本経済新聞 2011/05/23
・内閣府 http://www5.cao.go.jp/keizai2/koufukudo/koufukudo.html

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(2010/07/16)
大竹 文雄、 他

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「日本」をなんと読むか

2009年6月 30日 By: rainbow Category: ニュース No Comments →

自分の国の名前でありながら、「にっぽん」と「にほん」のどちらが正しい読み方なのかと問われると答えに窮してしまいます。「日本橋」という地名についても東京と大阪では読み方が違いますし、どちらが正しいということもないと思います。

そんな疑問について、政府が2009年6月30日に「日本」の読み方について民主党の岩國哲人衆院議員の「日本国号に関する質問主意書」への答弁書を閣議決定しました。その内容によると、「『にっぽん』『にほん』という読み方については、いずれも広く通用しており、どちらか一方に統一する必要はないと考えている」としています。

エッセイストの轡田隆史さんによると、遙か昔室町時代にまでさかのぼると「にふぉん」と読んでいたり「じっぽん」と読んでいたりして、現代になって「にほん」が定着してききたと説明しています。戦前は「にっぽん」が多かったのですが、それは大日本帝国の影響だとされており、それが戦後、現在の憲法である日本国憲法は「にほんこくけんぽう」ということからも「にほん」に徐々に変化していったのだろうと推測しています。

今回、政府が説明しているようにどちらでもいいというあいまいさは、あってもいいのではないかと思います。国に対する思いは人それぞれだし、場所によっても異なります。とある調査では、「日本一」の読み方について、「にほんいち」が51%だったの対し、「にっぽんいち」は49%とほぼ同等であったという結果が出ています。

一律この読み方じゃないといけないと決めるのではなく、時と場合、言葉の使用する場面によって柔軟に変えることによって、様々な表現をすることができるという点でメリットがあるといえるではないでしょうか。

【参考】
・asahi.com
テレビ朝日 日本語研究室


『NHK-CD ラジオ深夜便 にっぽんの歌 こころの歌』