あしたまにあーな

毎日の生活に ほんのちょっとのうるおいが 届きますように


あしたまにあーな > 北大路欣也


花燃ゆ 第33回「花となるために」

2015年8月 16日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

前々から控えめな演技でありながら存在感抜群の杉百合之助を演じる長塚京三さんに注目していたのですが、最後の最後に素晴らしい演技を見せてくれました。優しく家族の無茶を見守ってあげるという立ち位置は、その当時においてなかなか出来ることではなかったでしょう。寅次郎もそうですし、敏三郎もそうでした。そして奥に入るという文も見送り、自分は農作業に励むという今までの父親像にはないものだったので、衝撃をうけたものです。

その百合之助が今回の最後(おそらく)を迎えます。桜を例えにして、家や家族という縛られた世界から解き放たれていくのが望ましいと語ります。そしてこれまで寅次郎の世話をして欲しいということを言ったばっかりにこの家に縛ってしまったことを後悔しながらも、優しい時間が過ぎていきます。この物語始まって以来の感動的な場面であり、思わずボロボロないてしまいました。おつとめに戻る美和を優しく見送る両親。最後までこの両親の周りにはそんな包み込んでくれる優しい雰囲気が醸しだれていました。

政治の世界では、椋梨が表舞台から追われることになります。それは梅太郎が毛利敬親に対して直接訴えを行ったことによって実現したということなのですが、藩主が1人の意見を聞いただけでそのような大きな振る舞いをするのか少し謎なところです。この辺りの史実がどうなっているのか興味深いところではありますが、どちらにせよ、そんな椋梨の行動を要因していたのも毛利敬親が「そうせえ」と言っていたことが要因なので、一切の責任は毛利敬親が追うべきところのような気もします。

さて次回は、徐々に権力が増していく美和ととともに気になるのが、薩長同盟。以前にちょい出しで登場した坂本龍馬が再登場し暴れまくることでしょう。龍馬伝での福山雅治の熱演もまだ脳裏に残っていたりするので、どのような差を出すことが出来るのか楽しみにしたいと思います。

◆花燃ゆ紀行◆
山口県萩市
 - 東光寺

花燃ゆ 第20回「松陰、復活!」

2015年5月 17日 By: rainbow Category: 2015年_花燃ゆ No Comments →

次第に物語は攘夷一色の世界になって行きます。まず驚いたのが、久坂玄瑞が三条実美という有力と直接話をしている部分。おそらく様々なつてを使ってこの相談事が実現したのだと思いますが、突然久坂が話す場面でその相手が三条という構図には、少し違和感を覚えました。

口内炎のため話をすることができないということを教えてもらったのが、京の芸妓である辰路という人物。彼女の中にも自分が立身出世するためには、有力者で世の中に名声をあげるような人物についていくことが最善であるという志をもっていて、その相手としてロックオンされたのが久坂でした。おそらくぶきっちょな久坂ではありますが時間をかけて徐々に彼女に近づいていくことは間違いないでしょう。その時に、主人公である文はどうなってしまうのか不安ではありますが。

そして今回、もう一つ大きな点として寅次郎の名誉が回復したことがあげられます。まだ時間が経っていないのではないかという感じもありますが、萩を中心に寅次郎の残した言葉を学びたいという者が数多くあらわれたことによって、なし崩し的に認められたという雰囲気を感じました。藩として寅次郎を罰した経緯や意志を変えるのですから、そこには毛利敬親の「久しぶりに寅の言葉が聞きたくなった」というだけではなく、理由付けをしてもらわないと、彼の死も報われないのではないかと思います。

最後のイギリス公館の焼き討ち事件に向かう高杉、久坂、伊藤たちの行進は、まるで石原軍団で登場するかのような雰囲気で、演出としてどうなのかなと感じました。みんな決意に満ちた表情のなかで、数人がにやけていたりして、ねらっている感を出してくれたのは素敵なのですが。

このように、徐々に、攘夷運動は本格化して長州の立場も難しい状況が続くことから、登場人物がどのように振る舞っていくのか楽しみにしたいと思います。

◆花燃ゆ紀行◆
東京都品川区
 - 土蔵相模跡

江 -姫たちの戦国- 最終回「希望」

2011年11月 27日 By: rainbow Category: 2011年_江 No Comments →

いよいよ最終回。まさか7時半からやらないだろうなと思ってはらはらしていたのですが、後ろ倒ししてくれたので助かりました。今まで難題だったものがさくさくと決まっていく様子は、ものすごくハイスピードで見ていた気分にさせられます。それが時を重ねることを全く感じず、若いままの上野樹里さんによって演じられるのですから、なんとなく不思議な気持ちになってしまうのも無理はないでしょう。

まず、さくっと決まってしまったものとして、世継ぎ問題が挙げられます。前回口紅問題に端を発した事件は、親子の絆を深めるという結果になり、そして今回のはじめに竹千代の世継ぎと決まります。父親を恨んでいた千も「父親のような旦那だといいな」と言いながら嫁いでいきます。

波乱の種になるかと思われた秀忠の隠し子問題についても、江が自分は狭い範囲の中でしか見ていなかったと反省したことによって、隠し子である幸松は江戸城内で育てられることになり、急速に解決に向かいます。のちの保科正之である事実と、このことをきっかけにして大奥を築いていったという事実が自分の中では新発見だったという収穫はあるものの、このようなすばらしい功績をさっくりと終わらせてしまっていいのだろうかと不思議に思ってしまいます。

江は、元服して家光になった息子から父親がやっていることの意味を教えてもらい、秩序を守るために厳しい心持ちを学ぶことになります。それは、本多正信が秀忠に残した言葉でもあったので、それを実行したことなのでしょう。ちなみにこの教えは家光にまで受け継がれていて、お家の取り壊しなどを家光の時代まで続けたといいます。その中には、国松から元服して忠長も含まれていたのかもしれません。気になって忠長の今後について調べてみると自害するという結末が若いうちにあることがわかります。このような「その後」について、もっと紹介してくれるのかなと思っていたのですが、あまりそういうこともなく終わってしまって少し残念な気がします。「そのとき歴史は動いた」と同じように見てはいけないのですね。

そして、すべてが太平の世の中になった後、相変わらず若い向井理さんと上野樹里さんは、普通にデートをしているような雰囲気で草原で戯れ、これまでの時代について振り返ります。今までの大河ドラマでは最後主人公が亡くなるまでを演じるのですが、今回はまだまだ続きそうな勢い。秀忠は江は「そなたは希望じゃ」と語ります。同じようなことを昔結婚した後に話していたような気がしますが、今はそれとはまた違った希望があるのでしょう。鈴木保奈美さんのナレーションにかぶせ、江が草原を走り去るシーンで終了します。

自分としては、大奥を創設しみんなが幸せになって暮らせる場所など、もっと江がやった功績について色々知りたいと思ったのですが、このあたりは何となくご紹介といったレベルで終わってしまっています。以前、茶々の恋愛話に4回ほどかけてやっていたのを振り返ってみると、物語の進行配分をもう少し考えても良かったのではないかと思います。

浅井三姉妹は、その強い絆によって太平の世の中に大きく貢献したという最後の言葉は、なんだか胸に響くものがありました。そういう意味で、今回の大河ドラマは江という一人の人物にフォーカスするというよりも、浅井三姉妹の物語だったと考えることができるのではないでしょうか。そう考えると、1年という短いスパンの中ですべてを表現するのは難しいのは当たり前のことで、歴史的なところは早送りせざるをえなかったのかもしれません。評価は色々と分かれますが、今まであまり存在を知らなかった「江」という人物について、知ることができたのは1年間見てきた自分の中の成果といえると思っています。

◆江紀行◆
東京都港区
 - 増上寺
 - 徳川将軍家墓所
 - 建長寺 仏殿
 - 唐門
 - 秀忠公 お江の方墓所

福井県小浜市
 - 常光寺
 - 常光院墓所
 
京都府京都市
 - 養源院
 - お市の方供養塔
 - 弁才天