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紳士服下取りの意図とは

2012年3月 06日 By: rainbow Category: 日記 No Comments →

先日、ずっと着用してきたスーツのズボンのおしりの部分がすり減ってしまったことから、新しいスーツを購入しようと紳士服売り場に行きました。ちょうどフレッシャーズフェアと題して新入社員向けのスーツを積極的に販売している中、それ以外の紳士服はそれよりも割高で売られていたので、「自分はフレッシャーズには見えませんか?」と店員に質問してみます。すると苦笑いをしながら「転職するので、新入社員ですよね」と問いかけた人がいたことを教えてくれました。見た目の若さって重要だなと改めて実感します。

出鼻をくじかれた形にはなりましたが、気を取り直し紳士服選びにうつります。今のトレンドは2ボタンだということで、逆に2ボタンは胸の部分が開いてしまい気持ち悪いと思っていた自分にとっては新鮮で軽いカルチャーショックを受けたものです。この数年で3つボタンは絶滅してしまったようです。

そのなかで一つ気になる表示を発見します。そこには「不要になったスーツ 下取りします」という文字。一定以上の金額の商品を購入することによって、1着20000円で下取りしてくれるというのです。これは利用者から見るとものすごく嬉しいサービスで、もう着られなくなってしまった紳士服をこんなに高額で下取りしてくれるなら、新しい商品を購入する足しにもなります。

しかしこのサービス、いったいどのような意図を持って行われているのでしょうか。下取りするからには何らかの意図があるからに違いありません。そこで有名紳士服専門店の例を見ながら、この紳士服下取りサービスについて見てみたいと思います。

大手3社であるコナカ、青山、AOKIを見てみると、CSR(企業の社会的責任)の一環として不要になった紳士服の中に含まれるウールを回収、加工して再び自動車の吸音材、手袋やモップなど生活用品、フラワーポットなどにリサイクルされたり、土にかえし羊が食べる草を育み再びウールとなって帰ってくる循環型リサイクルをも実現しています。

こういった中長期的なCSRの観点が示されていますが、一方で短期的な企業へのメリットもはるのではないかと考えています。それは多くの紳士服専門店が他社で購入したものを含めて下取りをしてくれ、その代わりに2万円引きの商品引き替え券をもらえます。この2万円というのが絶妙なのです。

多くの紳士服は上下で安くても定価で4万円台から始まります。つまり、2万円引きとは50%オフということになるのです。原価を考えると、おそらく4万円もしないでしょうから紳士服店としては十分利益を出すことができます。さらに、ズボンの手直しや名前入れ、ワイシャツの追加購入などプラスアルファのモノやサービスを購入します。これによって客単価を結果的に押し上げることに成功しているのです。

さらに一度でも購入してくれたら、その紳士服店は定期的にそのお客様に訴求することができるようになるため、さらなる購買を期待することができる機会を得ることができます。このように、短期的にも企業として十分メリットを得ることができ、中長期的なリサイクルというCSRによって企業イメージのアップにも貢献しているのです。

利用者の立場から見た場合、いい物を安く購入することができるバリエーションが増えるのは大歓迎であり、双方にとってメリットがある施策こそ、長続きするサービスとして残っていくのだと思います。

【参考】
・コナカ http://www.konaka.co.jp/item/pickup/recycle/top.html
・青山 http://www.aoyama-syouji.co.jp/eco/about/product.html
・AOKI http://www.aoki-style.com/campaign/tradein/

下取りされた服や靴の行方

2009年10月 06日 By: rainbow Category: ニュース No Comments →

いらないものを回収して新たなビジネスにつなげるモデルは、近年新しい形として定着しつつあります。例えば古本をチェーンとして展開しているブックオフグループは、本だけでなく古着やハードウェア、ゴルフ用品など中古品を一手に扱う総合中古売り専門店になりました。いいものであれば中古品でもいいから安く手に入れたいという欲求は今後もどんどん高くなるばかりです。

そんな中、大型百貨店でも中心に洋服や靴の下取りセールが開催されるようになってきました。百貨店といえば高級でいい新品を取り扱っていて、中古品を売っているイメージがわきづらいのですが、お店で下取りされた洋服や靴はどこに行ってしまうのでしょうか。ブランドものも扱っている百貨店としては、同じ建物内に同じブランドの中古品を扱っていては、角が立ってしまうのではないかとずっと不思議に感じていたのですが、この答えを産経新聞のなかで見つけました。

お店で回収された服や靴は、中古品としてお店に並ぶのではなく、紳士用スーツなど衣服は自動車の断熱材や防音材に生まれ変わり、靴は店と取引する産業廃棄物回収業者に引き渡されるそうです。これは一例であり他の流通経路もあるのかもしれませんが、これならメーカーとしても余計な心配をしなくて済みそうです。消費者としては本当にもったいないと感じてしまいます。

靴は細かく切り刻み高温で溶かされ、それを熱源として水蒸気を作りだして発電に使われているそうです。残された灰は土木資材として歩道のれんがなどに再利用されているというのですから、まさに循環化社会を実現していて環境負荷を最小限に抑えているといえます。

消費者としては、下取りしてもらった靴や服の代金を原資としてまた新しい靴や服を購入している人が多いようで、売り上げ自体が3割から6割も上がっている店舗もあるそうです。確かに通常で購入するよりも下取り分を考慮するとずいぶん安く購入することができますし、オークションサイトで売るよりもお手軽なのは確かでしょう。さらに、それが環境対策にもなっていると考えると、社会貢献という観点からもすばらしい施策といえるでしょう。無駄なものを再利用するという考え方は、これからもすべての人への利益を生む形で広がっていくことでしょう。その足がかりとなれば、この下取りセールの果たす役割は非常に大きいと思います。

【参考】イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/308813/


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