あしたまにあーな

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あしたまにあーな > 上地雄輔


天地人 第40回「上杉転落」

2009年10月 04日 By: rainbow Category: 2009年_天地人 1 Comment →

関ヶ原の戦いによって西軍側についた大名たちは次々と処分されていきます。前回の石田三成だけでなく、毛利輝元や真田親子といった武将にも及んでいて決して上杉も例外ではありませんでした。三成に自分たちの正義を後世に伝えていくと約束した兼続は、家康によってお家取りつぶしが決定的な時期に、どのようにしたらその約束を守っていけるのかを悩みます。そして出した答えが直江家を本多正信の次男へ譲るというものでした。

兼続には竹松という嫡男がいるにも関わらず、本多から男子を受け入れるということは竹松が今後どうなってしまうのか想像することさえできません。せっかく加藤清史郎くんが通常の子供の何倍ものセリフがある不思議な状況を作りだしていても、長続きしないかもしれません。非常に残念です。

頭を下げればいいのにと感じたひとも多いと思いますが、それでは上杉としての心が折れてしまうことになります。それだけは避けたいと思ったのでしょう。家康に謝罪することなく、上杉の義の精神を伝え自分たちの沙汰を待ちます。このシーンは中々心苦しい場面でした。兼続と景勝が何も言わずに酒を酌み交わす姿は、自分たちのこれからの未来の不安をよく表現できていたと思います。ここにきて内容がしっかりと腰を据えたものになってきて奇をてらったものが少なくなってきたような気がします。

心でつながっている上杉家の家臣たちは、減封され会津若松から米沢へ移ったとしてもびくともしないんですね。このつながりはきっとこれから先苦しいことがあったとしても何とかしていこうというプラスの力が働くことになりやすい状況でしょう。30万石を何倍にもしていくための方法を今後兼続たちは考えて実行していくと思いますが、どのように団結して困難に立ち向かっていくのかが楽しみです。

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天地人 第39回「三成の遺言」

2009年9月 27日 By: rainbow Category: 2009年_天地人 No Comments →

石田三成は、様々な無念を抱きながらも六条河原で斬首されてしまいます。正義とは何なのかを改めて考えさせられてしまいます。正義は我にありという石田三成は、家康の天下は長く続けられるわけがないと厳しく批判します。ところが、歴史はそれとは反対の事実を示しています。

歴史にタラレバはないのですが、もし石田三成が勝利をおさめ天下を統一していたのなら、今の日本はなかったでしょう。それがもっと良い世界なのかそうでないのかは分かりませんが、人々が安心して生活ができる天下を作ること、それこそが正義だったのではないでしょうか。そういう意味では三成や兼続たちが考える世界も家康が考える世界も同じだったのではないかと思えてきます。

戦後処理を行う家康は、豊臣家も含めて自分に味方しなかった大名を次々と減封していきます。これによって、豊臣系の大名と徳川系の大名と認識のずれが生じ次第に確執を生んでいくことになります。家康は間違いなく関ヶ原以前からこのようなことになることは分かっていて、それに対してはすでに自分が石田三成を破った本人だから自分に従うのは当然という論理を利用することを考えていたのでしょう。周囲の人々はその考えに従うしかない状況に追い込んでいくのです。これから、2年少し後に江戸幕府を開くことになるまで、本当の意味での戦いが始まります。

亡くなってしまった石田三成は、様々な人に自分の思いを伝えます。自分が再び中心に立って正義を貫くことが難しいと判断すると、兼続に自分の思いを伝えようと努力するのです。本当に六条河原で「兼続に伝えよ」と言ったのかどうかは分かりませんが、ここで伝えられなくてもきちんと自分たちの思いを後世に残すように言い残すことができたのです。二度と笑い会うことのない二人の気持ちは本当につらかったことでしょう。

三成の思いを兼続たちは、上杉家を守りつつどのように遺志を継いでいくのかしっかりと確認していきたいと思います。そして、再度登場した加藤清史郎が与六とは違った一面を今後どのように見せてくれるかも楽しみですね。

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天地人 第33回「五人の兼続」

2009年8月 16日 By: rainbow Category: 2009年_天地人 No Comments →

今回は、兼続の人間性がいかにすごいかを改めて感じることができた回でした。越後では執政として上杉家のすべてを任せると景勝に言われることになります。すべてを任せるというのは戦国の世の中ではあまり聞かない話だったのではないでしょうか。

ともすれば主の目の届かないところが生じてしまうことにもなるのですが、主は国として大きな方向性を指し示さなければならないような仕事に専念することができるのですから、景勝にとっても兼続にとっても大きなメリットとなるのでしょうね。一つの場面として秀吉が拾への忠誠を誓う場で、三成を責めていた家康に対する言葉が挙げられるでしょう。主の責を家臣に負わすのは筋違いだと。この発言によって上杉家の印象をさらに高めることに成功したのです。このように対外的な政に専念することができるのは大きな事なのかもしれません。

そして、もうひとつ兼続の人間性について大きさを感じたのが三成への進言でしょう。それまで三成ひとりが秀吉に火の粉がとばないように日よけになっていたにもかかわらず、それ故に家康などからまるで外野のようなヤジが飛ぶことになります。当事者意識を持ってもらうために兼続が三成に提案したのが五大老、五奉行制でした。ドラマの中では始めに景勝が兼続に対して言っていた「兼続が5人いればよかったのに」をうまく引用しているような感じでしたが、真相がそうなのであれば頭の回転がものすごく速かったのだろうと思われます。大老は、徳川家康、前田利家、宇喜多秀家、毛利輝元、上杉景勝。五奉行は、浅野長政、石田三成、増田長盛、長束正家、前田玄以で構成され豊臣政権を支えていくことになります。

結果として三成とのうまい芝居を経て秀吉にこの制度を認めさせることになるのですが、これによって三成と兼続の関係はより強固なものになっていったのでしょうね。しかしその中で怖い存在なのが家康です。この先の時代は誰もが知っていることであるとはいえ、平安の世の中があと数年で終わってしまい再び天下分け目の戦いが行われることなどみじんも感じることが出来ません。

次回は、とうとう秀吉が倒れるところから始まります。最近秀吉を演じる笹野高史さんの唇が赤すぎるのではないかと多くの方が指摘していて、今日はそのことばっかりが頭に残ってしまいました。赤すぎてしまったためなのか、もうすぐ彼にも最期がやってくる雰囲気です。大きな歴史の転換点が近いのかもしれません。

□■天地人紀行■□
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