あしたまにあーな

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あしたまにあーな > ワークライフバランス


残業せずに帰りたくなる音楽

2009年5月 30日 By: rainbow Category: ニュース No Comments →

日本は昔から残業に対して美徳とする風習が残っています。たくさん残業をすることによって仕事に対して熱心であるという印象を付けられる、仲間が残っているのに帰るとマイナス効果などの要因があるのですが、今の時代においてそれは完全に崩れつつあります。

一言で言うと「ワークライフバランス」なのですが、自分の時間をたくさん持ちその中で自分を磨くための時間をたくさん持つことの方が仕事の面でもプラスになるという考え方です。確かに残業をせずに効率的に仕事をすることができれば、空いた時間を家族と楽しく過ごしたり、勉強をしたり、趣味に充てたりすることができ、結果として毎日が楽しくなりますよね。

さらに企業の業績悪化をうけて、残業を減らさせる方向にあることも追い打ちを掛けて、ノー残業デーの時間を設け、その日は照明が消えてしまったり、残業申請が厳しくなったりする企業も増えてきました。その中で大阪市の取り組みには目を見張るものがあります。

大阪市の庁舎では、午後8時半になると優しいハープの音色で郷愁を誘うスコットランド民謡の「ロッホ・ローモンド」が2分間ほどスピーカーから流れるそうです。この午後8時半という時間は定時退庁時刻を3時間オーバーしていることを知らせるものとのこと。

この音楽を聴くことによって段々寂しくなって「なんでこんなところで一人で仕事しているんだろう。早く帰って暖かい家族に触れたい」と無意識のうちに感じさせるのが意図のようですが、残念ながら科学的な根拠はないようです。

しかし、音楽の効果は確実にあると思います。例えば閉店間際のお店で「蛍の光」が鳴り始めたら、そろそろ閉店であることが分かり早々に店を出るでしょう。直接「まもなく閉店です。出て下さい」というよりもよっぽどセンスがあります。おそらくこれと同様の効果を期待しているのでしょう。

この施策がどの程度効果があるか分かりませんが、その効果の出具合によって今後他の企業でも採用されていくと思います。さらにこの音楽作戦が失敗に終わった場合には、スコットランド民謡からハードロックやヘビメタの音楽が大音量でエンドレスで流れ始める施策を考えているのかもしれません。

【参考】YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090530-OYT1T00435.htm

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今ワーク・ライフ・バランスが言われ始めた理由

2008年12月 06日 By: rainbow Category: ビジネス No Comments →

仕事と家庭を両立するという非常にシンプルな考え方なのですが、なかなかそれができない状況にあります。簡単であればみなさん実施しているのに、それができないのはなぜなのでしょうか。ワーク・ライフ・バランスと呼ばれる考え方は最近話題になることが多いキーワードですが、多くの書籍や雑誌、セミナーではどのように両立させるのかといったノウハウが紹介されています。

本日、川崎市男女共同参画センター主催の東京大学大学院経済学研究科教授の神野直彦先生によるセミナーに参加してきましたが、神野先生はノウハウと言うよりはなぜそのようなことを考えなければならなくなってしまったのかといった背景を中心とした講演でした。

■スウェーデンに学ぶオムソーリ
スウェーデンでは「ラーゴム」つまり「ほどよい」という価値を重視しています。しかも社会サービスを「オムソーリ」というのですが、それは「悲しみの分かち合い」という意味だそうです。そのようなスウェーデンで「悲しみ」とは高い税金のことをいいます。みんなが高い税金を支払うことによって、高い社会保障サービスを受けることができるのです。日本は、税金は徐々に高くなろうとしているのですが、その徴収方法や使い道についてスウェーデンに学ぶ点は多いのです。

■ストレスからわがままへ
最近日本では、働き過ぎによる仕事のストレスをかかえる人が多くなっています。仕事のしすぎによってストレスがたまり、その人が消費者にまわると今度はそこでストレスを発散しようとしてわがままになってしまうそうです。それが悪循環として思いやりに欠けた社会になりつつあると神野先生は危惧しています。

■日本とスウェーデンの差とは?
スウェーデンでは、社会サービスはお金を出すものではないという考え方が広く普及しています。日本でも医療保険では3割負担なのですが、スウェーデンでは、介護、医療、教育などほとんどの社会サービスが1割負担が普通だといいます。そこには所得比例による支払が確立されているそうです。

日本は、少々背景がスウェーデンとはことなる状況にあります。日本では、企業に勤める正社員(内部労働市場)には、社会保障の仕組みが既に含まれています。家族手当や住宅手当、年金も保険も企業で用意されていることが多いのです。そのため、国が個人に手厚い保障を行う必要がありませんでした。

しかし、近年では、パートなどの非正規社員(外部労働市場)が増加し続けたことによって、社会保障問題が問題となって明るみに出るようになったのです。非正規社員は守ってくれる企業もないので、国に頼るしかありません。その国も今までそのような政策を十分行う必要がなかったところからですから、資金があるはずもありません。使い方が分からないんですよね。

結果として、一生懸命働かなければならないような状況がここに生まれてしまったこtから、問題として表面化してしまった根本にあるのです。それゆえ、ワークライフバランスを実現するためには、社会保障を考えてくれる正社員になるか、国による保障を手厚くするように変えていくしか方法はなさそうです。

その社会基盤ができて初めて、人間的な豊かさや幸せを感じることができるのではないでしょうか。

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