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天地人 第41回「上杉の生きる道」

2009年10月 12日 By: rainbow Category: 2009年_天地人 No Comments →

今回の天地人は人間模様をすごく表現していて、戦のシーンに頼らない人間そのものの心を表現している自分にとってあるべき大河ドラマであったと思います。徳川の世の中が到来し日本が家康によって平定されようとしている今、兼続や上杉にとって次の生き方を模索しもがいている苦しい時代でした。

上杉は、会津から米沢へ移され石高が下がってしまったにも関わらずほぼすべての家臣を引き連れて米沢へ移動します。重臣たちも一つの建物に複数の家族が一緒に住み、苦しい家計を何とかやりくりする必要がありましたが、それなりに楽しい生活になったようです。
そんな中、まずはじめの人間ドラマがやってきます。上杉家を守るため直江家を本多正信に託し、自分の嫡男である竹松に後を継がせないことにします。なんと言っても加藤清史郎くんに尽きるこの場面は、なんか不思議な気分になった人も多いのではないでしょうか。高嶋政伸が演じる兼続の父、惣右衛門が昔の兼続を思い出す回想シーンでも加藤清史郎くんが登場し、今に戻ってきても加藤清史郎くんが出ているのですからどっちがどっちだかわからなくなってしまいます。父の愛を疑うなというセリフにぐっと来てしまいました。

この後は、次第に惣右衛門の最期がやってきます。兼続と酒を飲み交わし兼続が父のような父になりたいと言うと、惣右衛門も兼続のことを誇りだとお互いに認め合います。どちらの気持ちも分かりますが、自分はどちらかというと兼続の方に感情移入してしまいました。影で支えて叱咤激励してくれる父に自分もなりたいと改めて思います。このあたりですこしじーんと来ていたのですが、最期に縁側で人生を全うしやるべき事をやったという満足感をもって笑顔で眠るようにこの世を去っていった惣右衛門。高嶋政伸もうまく演じていて、物語の骨格をしっかりと作ってくれる名演技でした。

次回からは、ドラマも終盤に迫ってきます。兼続には心の支えのひとりをなくすことになりますが、それは同時に人を成長させることにもなります。どのように上杉をもり立ててて行くのか、楽しみにしたいと思います。

□■天地人紀行■□
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天地人 第40回「上杉転落」

2009年10月 04日 By: rainbow Category: 2009年_天地人 1 Comment →

関ヶ原の戦いによって西軍側についた大名たちは次々と処分されていきます。前回の石田三成だけでなく、毛利輝元や真田親子といった武将にも及んでいて決して上杉も例外ではありませんでした。三成に自分たちの正義を後世に伝えていくと約束した兼続は、家康によってお家取りつぶしが決定的な時期に、どのようにしたらその約束を守っていけるのかを悩みます。そして出した答えが直江家を本多正信の次男へ譲るというものでした。

兼続には竹松という嫡男がいるにも関わらず、本多から男子を受け入れるということは竹松が今後どうなってしまうのか想像することさえできません。せっかく加藤清史郎くんが通常の子供の何倍ものセリフがある不思議な状況を作りだしていても、長続きしないかもしれません。非常に残念です。

頭を下げればいいのにと感じたひとも多いと思いますが、それでは上杉としての心が折れてしまうことになります。それだけは避けたいと思ったのでしょう。家康に謝罪することなく、上杉の義の精神を伝え自分たちの沙汰を待ちます。このシーンは中々心苦しい場面でした。兼続と景勝が何も言わずに酒を酌み交わす姿は、自分たちのこれからの未来の不安をよく表現できていたと思います。ここにきて内容がしっかりと腰を据えたものになってきて奇をてらったものが少なくなってきたような気がします。

心でつながっている上杉家の家臣たちは、減封され会津若松から米沢へ移ったとしてもびくともしないんですね。このつながりはきっとこれから先苦しいことがあったとしても何とかしていこうというプラスの力が働くことになりやすい状況でしょう。30万石を何倍にもしていくための方法を今後兼続たちは考えて実行していくと思いますが、どのように団結して困難に立ち向かっていくのかが楽しみです。

□■天地人紀行■□
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天地人 第39回「三成の遺言」

2009年9月 27日 By: rainbow Category: 2009年_天地人 No Comments →

石田三成は、様々な無念を抱きながらも六条河原で斬首されてしまいます。正義とは何なのかを改めて考えさせられてしまいます。正義は我にありという石田三成は、家康の天下は長く続けられるわけがないと厳しく批判します。ところが、歴史はそれとは反対の事実を示しています。

歴史にタラレバはないのですが、もし石田三成が勝利をおさめ天下を統一していたのなら、今の日本はなかったでしょう。それがもっと良い世界なのかそうでないのかは分かりませんが、人々が安心して生活ができる天下を作ること、それこそが正義だったのではないでしょうか。そういう意味では三成や兼続たちが考える世界も家康が考える世界も同じだったのではないかと思えてきます。

戦後処理を行う家康は、豊臣家も含めて自分に味方しなかった大名を次々と減封していきます。これによって、豊臣系の大名と徳川系の大名と認識のずれが生じ次第に確執を生んでいくことになります。家康は間違いなく関ヶ原以前からこのようなことになることは分かっていて、それに対してはすでに自分が石田三成を破った本人だから自分に従うのは当然という論理を利用することを考えていたのでしょう。周囲の人々はその考えに従うしかない状況に追い込んでいくのです。これから、2年少し後に江戸幕府を開くことになるまで、本当の意味での戦いが始まります。

亡くなってしまった石田三成は、様々な人に自分の思いを伝えます。自分が再び中心に立って正義を貫くことが難しいと判断すると、兼続に自分の思いを伝えようと努力するのです。本当に六条河原で「兼続に伝えよ」と言ったのかどうかは分かりませんが、ここで伝えられなくてもきちんと自分たちの思いを後世に残すように言い残すことができたのです。二度と笑い会うことのない二人の気持ちは本当につらかったことでしょう。

三成の思いを兼続たちは、上杉家を守りつつどのように遺志を継いでいくのかしっかりと確認していきたいと思います。そして、再度登場した加藤清史郎が与六とは違った一面を今後どのように見せてくれるかも楽しみですね。

□■天地人紀行■□
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