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肝心なときに力を発揮できる3つのコツ

2011年4月 14日 By: ぺんぺん Category: ブックレビュー No Comments →

火事場の馬鹿力という言葉もありますが、人は追い込まれて本当にヤバイというときに本当の力を出すことができるといわれています。自分も締め切りギリギリになって始めてこれはまずいということで真剣になり、後から「もっとはやくからこうしていればよかった」と後悔することがよくあります。

このいざというときに発揮できる力も、人によって能力以上の素晴らしいパフォーマンスを得ることができる人もいれば、全然発揮できない人もいたりします。プロのキャディーである杉澤伸章は、著書「ここ一番で、なぜ「普段の力」が出せないのか?」の中で、大切なことは気持ちをニュートラル、つまり中立に保つことであると話しています。平常心を保つことによって自分の実力を思う存分発揮することができるというのです。

平常心を保つというとなんだか、座禅などの精神修行をイメージしてしまいますが、杉澤さんはもっとお手軽に日常生活の中でできる方法について紹介しているのが嬉しいところ。今回はその著書の中にある3つを紹介します。


◆成功しても失敗しても毅然とした態度で
うまく行っている時もそうでない時も同じ態度を取るようにすれば、自然と気持ちの持ちようも安定してきます。タイガー・ウッズ選手はボギーを叩いた時も、バーディを取った時も、常に5メートルほど前を見て背筋を伸ばし、大きな歩幅で歩きます。そうすることでメンタル面の安定に努めているのです。

→同じ態度をとるということは完全に自分の心をコントロールしないとできません。今自分がどのような感情を抱き、どんな行動をしてしまいそうかということを客観的な第三者の観点で冷静に見つめるのです。それは意図的に意識しておかないといけません。感情のままに動くのはすごく楽なことですし、気持ちのいいことなのですから。


■笑顔の絶えない環境を作る
気持ちをニュートラルに保つには、周囲の環境も重要です。ピリピリした雰囲気のなかでは誰でも緊張して、普段ならできることができなかったりします。そうならないためにも、普段からチーム全体が常にリラックスできるような配慮が必要になります。チームのメンバーが皆リラックスしていれば、あなた自身も普段通りの精神状態でいられるはずです。

→感情のままに動かない、特に負の感情に流されると平常心はあっという間にどこかに消え去ってしまいます。そこで、意図的に笑顔を作り維持することで負の感情を押さえ込んでしまうのです。これも上記で紹介した感情のコントロールにつながります。


■ドンと来い、と受けて立つ
ゴルフは予測不能な出来事ばかりです。確率の高い方法を選択したとしても、いい結果に結び付かないことなど珍しくありません。しかし、あらかじめ「どんな結果になったとしても全て受け入れる」という決意を持っておけば、その一打が思うようにいかなかったとしても、動揺することはないのです。どんな結果も「ドンと来い」と受けて立つ覚悟を持っておくことも、心をニュートラルに保つ秘訣です。

→著者はゴルフを例にしていますが、世の中のすべてに確実なものなどほとんどないので、やるだけの事をやったらあとは結果がどうなろうともいいじゃないかと開き直ることが大切なのです。その開き直りが平常心の維持につながるのだと思います。


自分のことなので、簡単だと思いがちですが、あえて厳しい方へ自分の気持ちを持っていくのはなかなかできることではありません。起こったり泣いたり、相手にムカムカしたりすることが日常茶飯事です。いつ来るか分からない「いざというとき」に自分が最高のパフォーマンスを出すためにも、日常生活の中で平静を保つ努力をしないといけないなと改めて感じます。

【参考】新刊JP http://www.sinkan.jp/news/index_1874.html

ここ一番で、なぜ「普段の力」が出せないのか? (ベスト新書)ここ一番で、なぜ「普段の力」が出せないのか? (ベスト新書)
(2011/03/09)
杉澤 伸章

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構造改革の真実

2010年7月 16日 By: ぺんぺん Category: ブックレビュー No Comments →

郵政民営化は小泉純一郎さんと竹中平蔵さんによって2007年に成し遂げられたものですが、国民は熱狂的に自民党に声援を送り、マスコミはそれを大きく取り上げ、ワイドショー化するほどの報道がなされました。

その数年後、民主党政権になってから、かつて抵抗勢力と言われた亀井静香さんを中心とした人々によってその逆を行こうとしています。まるで当時の出来事が嘘であったかのように跡形もなく郵政官営化が進もうとしているかのように。

そんな今だからこそ、改めて当時の竹中平蔵さんはどのように考え、どのような思いから郵政民営化をしようと考えたのか自分たちは把握しておく必要があるのではないかと考え、竹中平蔵さんが当時の状況を示した「構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌」という本を読むことにします。

そこには、小泉内閣と共に5年5ヶ月を抵抗勢力と闘って成し遂げた不良債権処理や郵政民営化の成り立ちについて、舞台裏を明かしながら書き綴られていました。それは決してマスコミが報じていた内容と一致するものばかりではなく、思いはその逆にあるものも少なくないことが分かります。

自分たちは、マスコミによって報道される内容によって判断することがどうしても多くなります。しかし、そのマスコミは何らかのバイアスが掛かっていたり、視聴者が面白いと思うものを、本質ではないのに大きくして報道しているのだと改めて感じます。

そして反対する勢力は対案を示すことなく批判を続け、既得権益を守りたい人々はそのぬるま湯に浸かり続けるために様々な圧力を掛けます。しかし、自分たちはそれを表だって見ることができないので、マスコミに踊らされることになります。

踊らされて報道されたものを真実だと思うのも1つの手ですが、できればその真実を探求しその上で自分の力で判断したいと自分は思います。

竹中平蔵さんが正しいことを言っているのか、それとも今の政治家が正しいことを言っているのか、それは人によって見方は違うと思いますが、そのどちらの言い分をしっかりと把握した上で、評価を下す必要があるのです。本書はそのことを強く意識することができる内容といえるのではないでしょうか。

構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌
(2006/12/21)
竹中 平蔵

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コスモスの影にはいつも誰かが隠れている

2010年6月 23日 By: ぺんぺん Category: ブックレビュー No Comments →

はじめて藤原新也という方の文章に出会ったのは、東京メトロ構内で配布しているフリーマガジン「メトロミニッツ」の最後のコラムでした。情報が無限に広がる中彼の文章を読んでいると、その時間だけ自分の時間に没頭することができる、そんな不思議な魅力がある内容ばかりでした。

彼のコラム「撮りながら話そう」は、始めに文章に関連する1枚の写真と、その後に続くコラムから成り立っています。コラムの内容は一言で言うと「日常に潜むほんの小さな心の葛藤を切り取った物語」であると言えるでしょう。

そこに登場する人々は、誰にでもあるような日常の生活の中の出会いや別れ、そして死を意識した思いをするのですが、それが藤原新也という人物を通じると、すごく感動的で心の奥底にまで届くような圧倒的なものとなって心を揺さぶるのです。

その「撮りながら話そう」から藤原さんなりに選んで加筆追加したものが、「コスモスの影にはいつも誰かが隠れている」になります。

この本のあとがきで、藤原さんは次のような言葉で本を締めくくっています。

「人間の一生はたくさんの哀しみや苦しみに彩られながらも、その哀しみや苦しみの彩りによってさえ人間は救われ癒されるのだという、私の生きることへの想いや信念がおのずと滲み出ているように思う。」

この言葉は、すべての内容に共通しているように思えます。生きることへの想いは、決して楽しいことばかりではありません。つらいことや苦しいこと、本当にこの生き方は正しかったのだろうと思い悩む姿を通じて、考えさせられることも多くあります。

でも、本書を読んで苦しくなるのではなく、心揺さぶられる気持ちになるのは、人間が持っている根源的な心理がそこにはあるからなのかもしれません。読み終わった後には、心がなぜか温まってくるのです。

非常に読みやすい短編となっているので、すっと読むことができると思います。願わくは、「撮りながら話そう」のなかで「コスモスの影にはいつも誰かが隠れている」に載せることができなかったものを続編として期待したいと思います。

あなたも、静かな感動と心の中に広がる生きることへの想いを感じてみませんか?


コスモスの影にはいつも誰かが隠れているコスモスの影にはいつも誰かが隠れている
(2009/08/28)
藤原 新也

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おいしいコーヒーのいれ方 凍える月

2010年6月 13日 By: ぺんぺん Category: ブックレビュー No Comments →

村山由佳さんの人気シリーズ「おいしいコーヒーのいれ方」は、その誕生から17年が経とうとしています。本になってから今回の最新作「凍える月」で実に14冊目という長い間、主人公の和泉勝利と花村かれんを中心に物語は様々な方向転換を繰り返しながらも、しっかりと本人たちは成長し続け、それと共に読者も成長しています。

今回は、かれんが働いている鴨川の老人ホームでのアクシデントをきっかけとして、かれんの今後について新たな決断をしなければならない時がやってきます。

その心細い状況を勝利が必死に大人の対応で支えていきます。物語の中とはいえ勝利のかれんを想う気持ちと、場面ごとで話す内容が同じ男性としてすごくかっこいいと思えます。

「つらいときや悲しいときは泣いていい」

言い古された言葉ではありますが、これを言ってもいい男女関係というのは非常に限られていて、なおかつそれを女性にいってあげるときの男性もそれ相応の心の広さと包容力を発揮しなければなりません。また、この言葉を聞いた女性から、一定以上の信頼を勝ち得ていないと成り立たない、非常に難しい語りかけなのです。

しかし、それを乗り越えたとき、女性は強くなることができ、前を向いてまた歩いて行けるのです。そういう意味で女性は男性よりも強い生き物なのかもしれません。男性のストレスや感情の発散方法は非常に限られているし、黙って一人で乗り越えていくことも多いのですから。

また、勝利の周りも少しずつ変わってきています。星野りつ子はようやく勝利への想いから吹っ切れそうで、自分で前を向き始めました。読者としても彼女にはいつも笑顔でいて欲しいと願ってしまいます。前回のように想いを断ち切れないときの苦しさを目の当たりにすると、すごく心苦しくなってしまいます。今回は原田先輩の妹である若菜がピンチを迎えますが、それをりつ子は支えて上げることによって、自分も立ち直ろうといているのです。

この物語を読むと、すべての人が心穏やかに幸せでいて欲しいと強く思えるのですが、最後のあとがきに村山由佳さんも言っているように、そうすんなりと話は進まないようです。最期の場面には思いかげない展開が待っていることになります。次回は読みたいような、心苦しくて読みたくないような複雑な心境を持った読後感でした。

今回の挿絵は、前回に引き続き結布さんです。この人の絵はすごくリアルで描写がすごくきれいです。文中に出てくるかれんやりつ子などの女性陣を美しく書いていて、思わず見とれてしまいます。是非ご覧になってみてください。

このおいしいコーヒーのいれ方を読んだときにはいつも自分でコーヒーを淹れたくなります。マスターのようにおいしいコーヒーを淹れることなどできませんが、少しでもそれに近づきたくて、豆をミルするところから始めて飲んでいます。一度マスターのコーヒーを飲んでみたいものです。

おいしいコーヒーのいれ方 Second Season 4 凍える月 (JUMP j BOOKS)おいしいコーヒーのいれ方 Second Season 4 凍える月 (JUMP j BOOKS)
(2010/05/31)
村山 由佳

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福澤諭吉に学ぶ独立自尊の考え方

2010年5月 08日 By: ぺんぺん Category: ブックレビュー No Comments →

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」

このフレーズは、誰もがどこかで一度は聞いたことがあると思います。一万円札の肖像で有名な福澤諭吉による「学問のすすめ」のなかの冒頭部分がこれにあたります。

以前御記事でも紹介致しましたが、この言葉を聞く限り人は誰でも平等だということを言っているように聞こえますが、実はそうではありません。その後には、平等な社会のはずなのに、現実社会の中では貧富の差があったり、賢い人とそうでない人がいるのはなぜだろうと社会に疑問を呈している内容なのです。

その差はどこから出てくるかというと学問を学んでいるかどうかに掛かってくると説いています。愚かな人は誰かに任せてしまっていて自分は何も学ぼうとしない。だから任された人がどのようなことをしているのか分からず、結果として自分の不利益なことになってしまっても仕方がないのです。

他人に頼ることなく自分が学んで、物事の善し悪しを理解することができれば、富を築くこともでき、賢い人になれます。それが独立自尊の考え方だったのです。

今、自分は明治時代に書かれた福澤諭吉の言葉が時代を超えて、平成の世の中にも当てはまるのではないかと考え、改めて読み返しています。自分が学んで賢くならなければ、誰かの行いの善し悪しは分からないのです。今の政治や経済について、学んだものの上に立つ自分なりの考えをもって見ることができれば、違った角度から本質が見えてくるような気がしています。

政治や経済が混迷を極める今、自分たち一人一人が正しい見識を持つことを福澤諭吉は訴えているのだと思います。

この他、この「学問のすすめ」には様々な人が進むべき道が示されていて内容の濃い一冊であり、自分のなかで重要な一冊となっています。

学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)学問のすすめ 現代語訳 (ちくま新書)
(2009/02/09)
福澤 諭吉

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