「NHK教育」が「Eテレ」になった背景
2011年7月11日から、一斉にテレビ番組表やテレビの上の方にあるチャンネル表記が「NHK教育」から「Eテレ」に変更になりました。はじめにこのEテレを見たときには、日テレ(日本テレビ)の「日」という文字が読みづらくなっているだけだと思って目をこすってみたのですが、やはり「日」ではなく「E」であることから、間違いなさそうです。
これまでもEテレという表現は使われていたのですが、その愛称がそのままチャンネル名称を変えるにまでなってしまったことになります。ここで気になるのは、なぜ50年以上も親しまれてきた「NHK教育」という名称をここで変えることになったのかということ。その経緯について編成局Eテレ担当の戸川健史副部長が説明してくれています。
その説明によると、以下のような背景がありました。
・若者層を視聴者としてもっと取り込んでいきたいという方向性が強くなっていたこと
・「教育という言葉は堅苦しくて、どこか上から目線のような印象を受ける」という意見が多かったこと
・若者向けの番組全般にわたって「教育」という言葉がふさわしいのか見直す空気が広がったこと
確かに教育番組ばかりではなく、趣味の世界など様々ジャンルの放送がされていて、自分にとってすごく好きなチャンネルの一つとなっています。あまり上から目線だとは思わないのですが、「教えてあげる」というメッセージを言外にイメージしてしまうという現実があったのは確かなようです。
なるべく多くの人に親しみやすく、好きな番組をたくさん見つけてもらって少しでも視聴してもらいたいという思いが、チャンネル名称の変更に至ったのでしょう。名称をかわいくすることによって、親しみを与えようとする手法はよく使われますが、今回もその一環といえると思います。さらにその効果を上げるためには、「Eテレ」ではなく「eテレ」というように小文字化するとよかったのかもしれません。ある携帯会社やSNSサイトも会社表記を小文字化しているのはそのためと言われています。
その「Eテレ」のEには「エデュケーショナル(教育的)」と「エコロジー(環境)」の両方の意味が込められているといいます。エデュケーショナルはこれまでの放送内容を見ればわかりますが、エコロジーについても実はEテレは実践していることがあります。それは深夜番組を他局が放送している中、Eテレだけでは放送を終了し節電を意識したエコ活動に力を入れているのです。
子供から大人まで、もっといろいろなことを知りたいという欲求をサポートしてくれる良質な番組がEテレから輩出されることを願ってやみません。名称だけでなく、そういった番組内容のレベルアップが視聴者の心をつかむ最大の近道なのだと思います。
【参考】walker plus http://news.walkerplus.com/2011/0714/6/
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