社内公用語が英語になるとき
楽天の三木谷社長が「2012年までに社内の公用語を英語にする」と発表しました。このことは多くのメディアで話題を呼んでいます。今、楽天だけでなくグローバル企業を目指す企業が続々と英語を重要会議で使用したりする動きが広がっています。ユニクロで有名なファーストリテイリングもその1つといえるでしょう。
外資企業では当たり前のように使われている英語も、日本の企業内では一部の部署を除きほとんど使われることがありません。自分もそんな企業の中にいる一人ではありますが、以前外国人の方が「○○さんいますか?」という内容の電話があった際に、頭では「○○さんはまだ出社していません。あと15分ほどすると出社すると思いますが、折り返しお電話をさせていただきましょうか?」という日本語はとっさに出てくるのですが、これを英語にすることができません。
もちろん、この文章を英訳することはこれまで学生として英語を学んできたのでできるのですが、とっさにこの言葉を話すことができないのです。英語が得意な方は一々日本語などにすることなく、英語のまま思いついて話すそうです。
これは、やはり慣れているからに他なりません。日本の企業に勤めていて日本人だけを相手にするのであれば、日本語だけで不都合はありません。しかし、グローバルな分野で活躍するためにはどうしても公用語である英語を習得し、自由自在に使いこなす必要があるのです。
おそらく、そういう立場になったとき人はものすごい真剣に勉強するようになるでしょう。自分が海外に留学して6ヶ月過ごせと言われたら、生活するために英語を話したり聞いたりするのはできる必要があります。
とあるブログで、英語ができて仕事もできる人という存在は非常に貴重であり、\英語ができるというだけでその人に付加価値を与えると話しています。欧米の学生は就職するときに、英語ができない人というのはいないことから、付加価値が着くことはないのですが、日本人はそれが武器になるのです。
そう言う意味で、賛否両論はあるでしょうが、英語ができないとまずい状況を強制的に作り出し、英語を習得することによって自分も付加価値を高めることが結果的にできるのであれば、とてもいい企画と考えることができるのではないでしょうか。始めはすごくイヤだなとマイナスイメージが強く残るとは思いますが、環境が自分を高めてくれると考えるようにしたいものです。
ちなみに、楽天の社員食堂では「ぶりの照り焼き」を英語表記するのに苦労した食堂のおばさんが、必死につけた英語から、多くの人が「ぶりの照り焼き」だとメニューを理解してもらえずに、料理が大量に残ったというエピソードもあるそうです。日本語メニューだとなんだかおいしく感じられるのは少し分かる気もします。
あえて英語公用語論 (文春新書) (2000/08) 船橋 洋一 |
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