人生はアルファベット
人は一人では生きていけません。その周りにいる多くの人の助けを得ながら、自分自身も生きていけるのです。突然そのような当たり前のことを言われても実感がわかないと思いますが、節目節目で自然と感じることができます。
例えば、3月になろうとしている今はそろそろ入試も終わり卒業シーズンです。これまで数年の間一緒に過ごしてきた仲間、先生、もしかしたら親とも離れて暮らすことになる人もいるでしょう。言い尽くされた言葉ではありますが、出会いと別れが必ずあるのです。
それはアルファベットを使って表現することができます。それは、「I」「V」「Y」「X」の4種類。それぞれに人との関わり合い方が描かれています。
■「I」
始めからずっと一緒で最後まで一緒にいる人生です。こういう関係はほとんどないと思います。両親ともいつかは離れることになりますし、兄弟もしかりです。
■「V」
最後の最後に一緒になるという関係です。人生の最後に一緒になる人は誰なのでしょうか。それは最後までわかりません。自分はこのVの人生の代表的なものとして、戦争があげられると思います。別々な人生をもっている二人が最後に特攻隊や遠くの島にて最期を遂げるのはまさにこのVでしょう。
■「Y」
上からなぞっていくと始めは別々な人生を歩んでいた二人がある一点で交わり、そこからずっと一緒にいることになります。まさに夫婦の関係といえるでしょう。始めは誰と交わるか分かりません。
■「X」
上から下がっていくと、それぞれ別な点から始まり、それはある一点で交わります。きっと多くの人たちとの関係がこれに当たるでしょう。別々な人生を歩んできた二人が、ある時点で交わります。その交わりはずっと続くかのような気さえしますが、やがてまたそれぞれの人生へと旅立っていくのです。それは二度と交わることのない人生です。あとであの頃は良かったと思っても、もう後戻りはできません。
先人は「一期一会」という言葉を残しています。茶道に由来することわざで「あなたとこうして出会っているこの時間は、二度と巡っては来ないたった一度きりのものです。だから、この一瞬を大切に思い、今出来る最高のおもてなしをしましょう。」と言う意味の、千利休の茶道の筆頭の心得だそうです。
まさに人間同士の関係はX(エックス)だということが分かります。だからこそ、今自分の目の前にいる人を大切にし、最高の思い出を残していきたいものです。
秋川雅史 / 千の風になって?一期一会?
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