あしたまにあーな  

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坂の上の雲 第8回「日露開戦」

2010年12月 19日 By: ぺんぺん Category: 坂の上の雲 No Comments →

前回まででノボさんが亡くなってしまい、今回から一体どうなるのだろうと思っていたのですが、そんなことは考えなくてもいいくらいほとんど登場してこなかったです。律さんが真之の家にやってきて色々と面倒を見るときに話題になるくらいで、おそらく今後はどんどん登場シーンが少なくなってしまうような気がしてなりません。

前回も思ったのですが、坂の上の雲が数ある明治の世の中を描いた作品と違うのは、軍事的な側面だけでなく正岡子規のような文学や世相、文化という明治時代の息吹を感じることができる点が新鮮で面白いのだと思います。そういう意味で今回からどのようにその穴を埋めていくのか楽しみでもありました。

始まりは久しぶりに本格登場した好古は、騎兵第一旅団長となり千葉県で演習を行なっていました。このシーンだけでもかなり大規模で迫力があります。機関銃という文明の利器と古からの騎馬隊が併存するのは明治という時代だからこそでしょう。おおらかな演技は阿部寛さんにすごくあっていて、この後ロシアでの騎馬隊との飲み会でもそれは十分に発揮されることになります。

いざ戦となったら正々堂々と戦おうと握手を交わすその気持ちよさは、見ていて複雑になります。仲間意識と裏腹に彼らは戦わなくてはならないという相反した行動を取らなければならないのです。このような形ではなく違う形で彼らが交わっていたら真の友情を得ることができ、違う世界ができていたのではないかと考えてしまいます。歴史にタラレバは禁物なんですけど。

一方、真之は華族女学校に通っていた稲生季子といい関係になり、結婚することになります。この時代にとっては当たり前なのかもしれませんが、あまりデートしている感じでもなく、自転車レースで負けてしまった季子を真之が慰めつつ、その後に分かりづらいプロポーズを行ないます。季子は全く理解できていないなかったのですが、何となくOK。とんとん拍子に進み、結婚式のシーンに。展開が早いなとは思いつつも、結婚式を心から喜ぶ母親と好古の姿を見ると、よかったねと自分も一因として思ってしまいます。

妻となった季子はやはりお嬢様なので、ドジョウを素手で裁くことができず訪れた律の手を借りて何とか対処します。良妻賢母を目指して一生懸命な姿を見ると、多少できないことがあってもまぁいいかと思ってしまいます。きっと、石原さとみさんがかわいいからという理由も大いにあるはずです。

時代は、ロシア皇帝ニコライ二世の全面譲歩という気持ちも届かず、日露開戦に向けて動き出します。その司令長官になったのが東郷平八郎でした。渡哲也は落ち着いていて貫禄がありますね。このあたりの演技は本当に見物です。これでもかという位の役者が大臣クラスにつぎ込まれています。極めつけは明治天皇を演じる尾上菊之助さんでしょう。市川亀治郎さんもそうでしたが、歌舞伎役者はやはり顔での表現がうまいですね。石坂浩二さんと中尾彬さんの司令長官を巡る思いの激突は見ているこちらも手に汗を握ってしまいました。

こうして名実共に日本海軍の頭脳となった真之。好古のちょっと恐ろしい言葉を胸に戦いの場へと足を入れていくことになります。これからは日露戦争の描写が多くなると思いますが、結果はともかく真之と好古の思いと戦い方、そしてノボさんの後を継ぎ明治の世の中の動きをしっかりと見ていきたいと思います。

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坂の上の雲 第7回「子規、逝く」

2010年12月 12日 By: ぺんぺん Category: 坂の上の雲 No Comments →

これまで3人が明治という荒波の時代をどのように生き抜いていくかをテーマとしたドラマの中で、重要な一人である正岡子規が亡くなります。これまで東京・根岸の病床六尺と言われていた子規庵で様々な執筆活動を行ない、いつも人々が集まる場所でした。それによっていつでも暗くならずに済んでいたのかというと、そうでもないようで、やはり苦しいときは死んでしまいたいと思ったといい、見ている方もその苦しみに胸が締め付けられるようでした。

それでも、必死に執筆活動を続けてこれた原動力はどこにあったのでしょうか。秋山真之が訪ねてきたときに、二人はお互いの顔を覆いながら抱き合ってその苦しみを分かち合おうとしていました。いつだって子規にとって苦しみを吐露することができる存在は真之以外にはいなかったのでしょう。律を演じた菅野美穂さんによると、本木雅弘さんと香川照之さんはお互いに同い年で普段から仲がいいそうです。そんな関係が、演技の中でもプラスに働いていることは間違いありません。

正岡子規の最期を近くで看取ることができなかった真之は、そのやるせない気持ちからなのか、子規の葬儀には出席せずに遠くからあいさつをするだけにとどめます。この時、子規に対して真之はどのように思いを伝えたのでしょうか。

考えてみると、坂の上の雲というドラマが展開される明治時代を舞台にしたとき、その多くは戦争や政府などの政治的な側面がどうしても多くなってしまいます。それに対して、坂の上の雲のよさは、正岡子規という文豪を物語の中に交えることによって、全体的に他の類を見ない時代全体を感じることができる内容に仕上がっているのだと思います。そういう意味で、正岡子規という存在がいかに大きかったのか、改めて感じます。

子規の死後、自分の時間を持つことができるようになった律は30を過ぎて学校に通います。これからは自分の時間を持つようにしたいと強く願うその姿は、現代のキャリアウーマンにも通じるものがあるのではないでしょうか。彼女がこの先、どのような人生を歩んでいくのか、これから演出はあまり多くないとは思いますが、楽しみにしたいと思います。

一方、真之は海軍大学校に新たに設けられた戦術講座の初代教官になるなど、海軍人としての地位をどんどん上げていきます。たくさんの本を読みふけったという真之の仕事面はまさに完璧であり、連合艦隊参謀への道をどんどん突き進んでいくのです。

そんな真之の今回の最大のニュースといえば、稲生季子との出会いでしょう。出会った瞬間に一目惚れしたという二人は、見ているこっちが恥ずかしくなるほど誰にでもわかる様子。真之が入院した際にもお見舞いに登場し、やってきた律がこっそりと帰るほど。実は律と真之は結ばれるのではないかと思っていたので、かなり自分の中では意外な展開でした。でも、一目惚れなので、次回は見事結婚となるようです。これで、松たか子さん演じる多美にお小言を言われなくても済むようになりそうです。

その旦那である好古は、清の国で男前な清国駐屯軍司令官となっていました。自らつるはしをもって道の工事をする素敵な面や、訪問した袁世凱と酒を酌み交わし親交を深めるなど、順風満帆の駐屯生活です。まだ彼が思いきり動くのは先のようです。

それにしても、子規を演じる香川さん、本木さん、阿部さんを始めとしたキャストの迫真の演技は見る者を、話の中に吸い込ませてくれます。子規庵での香川さんの苦しみと思い、本木さんの海軍大学校での「無識の指揮官は殺人者なり」と叫ぶシーン、阿部さんの袁世凱との馬での対決とそのあとのシーン、どれも吸い込まれてしまいます。

そしてそれをバックアップする演出の数々。力が入っている番組を見ると、余計なことを一切考えずに物語や主人公の心の動きに集中することができるということを実感できる作品といえるでしょう。次回がどんどん楽しみになります。

  

坂の上の雲 第5回「留学生」

2009年12月 27日 By: ぺんぺん Category: 坂の上の雲 2 Comments →

今年最後の坂の上の雲となりました。次回は約1年も先になってしまうのでしっかりと覚えておこうとひとつひとつの場面を目に焼き付けるように見ることにします。日清戦争以降の明治、大正、昭和と続く近代史では、人によって様々な考え方があったり戦争の悲惨さがバックグラウンドにあることから、画面で見る時に背景やその後の歴史をどうしても考えてしまいがちになりますが、少なくともこの坂の上の雲を視聴する上では、そのようなことはなるべく考えずに物語に登場する秋山兄弟や正岡子規たちがどのようにこの時代を疾走していったのかを純粋に楽しみたいと思います。

今回は、秋山好古の登場場面は少なく餅食べ競争の場面と陸軍乗馬学校長として騎馬隊の育成に力を入れていた場面の大きく2つで登場するに留まりました。第2部では好古の活躍の場面がもう少し増えることを祈るばかりです。

真之は日清戦争で自分の部下が亡くなったことに対してずっと悩んでいましたが、周りの人々の言葉を胸に海軍に復帰します。復帰してまもなく親友で先輩である広瀬と共に海外へ留学生として旅立つのです。真之はアメリカへ、広瀬はロシアへと向かうのですが、今でも海外への留学といえば大変な思いをする必要があるのに、この時代の人々の留学はそれをこえる苦労があったのでしょう。しかし、それでもこなすことができるのは志を強くもって日本を支えることができるのは自分であると強く思っていたからでしょう。

キューバとの争いの中でロシアからの留学生よりも多くの戦術を学び取っていたことを強く印象づける演出となったのは、本当にそうだったのかそれとも後の日露戦争の結果を意識してのことだったのかはわかりませんが、この場面で真之が作った資料が後世まで重要なものとなったというのですから、なんだかリアルタイムに見ていた自分まで嬉しくなるような気分です。その他、高橋是清先生からは原住民の扱われ方などから将来の日本の姿を重ねたアドバイスをもらい、人間的に大きく成長することができたアメリカ留学になりましたね。

広瀬もロシアで片岡鶴太郎が演じる八代六郎と出会い、ロシア軍の状況を把握し活躍していきます。舞踏会では難しい場面でしたが紳士的な態度も好感を得る結果となります。この舞踏会の場面も気合いが入っててリアルに描かれていますね。お金かけているなと世俗的なことを思ってしまいます。

こうして世界を駆け回る真之がいつも気にしていたのが正岡子規でした。子規の状況は益々悪くなっていってしまうのですが、それでも精神的には本当に充実していて、台詞ひとつひとつに本当に重みがあります。歴史にタラレバは禁物ですが子規がもっと長生きすることが出来ていたのであれば、日本文学においてもっと貢献することができたのかもしれません。根岸の小さな借家から世界中に思いを巡らせていた子規の思いの強さと、自分が成し遂げたことを無駄にするようなことはしないでくれと真之に頼む姿に思わず涙してしまいました。この先が長くないからこそ、自分が出来ることを冷静に考えて、一生懸命全力疾走していたのです。

それぞれ3人が自分の進むべき道を見極め走り抜けてきたことによって、ひとつの生きてきた証をそれぞれが記すことが第1部で出来たような気がします。きっと第2部ではこれを礎にしてもっと高みを目指していくのでしょう。子規の病気、真之の海軍での活躍、好古の騎馬隊の育成と成果など第2部に向けて見どころは盛りだくさんです。そこまできちんと覚えていられるように、次までに原作を読んで勉強をしておきたいと思います。


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坂の上の雲 第4回「日清開戦」

2009年12月 20日 By: ぺんぺん Category: 坂の上の雲 2 Comments →

考えてみると、大河ドラマの中で明治維新後を描いたものというのは極端に少ないと感じます。少なくとも自分が関心をもって見るようになってからはないような気がします。今回の「坂の上の雲」は大河ドラマではありませんが、この時間に放送する長期的なドラマとしてほぼ同じ位置づけになるものから、事実上大河ドラマといえるでしょう。前からこの時代の生き様を見てみたいと思っていたので、毎回新しい発見をすることができます。

特にこの明治から昭和初期の時代については、その後の太平洋戦争の影響からか人物像を深く描いた作品は少ないように感じます。渡哲也が演じる東郷は冷静沈着な指揮官として写り、時代劇には向かないけどこのような近代ドラマには渡さんはすごく似合っていると感じます。秋山に多くの水兵が慕ってついてきたように、真之もまた東郷へついていきたくなる要素を多く兼ね備えているといえるでしょう。

今回は全般的に日清戦争についての描写になっています。好古も騎兵第一大隊長として旅順に向かって進軍していますが、生と死はほんの紙一重だということを改めて思い知らされる場面でした。とにかく戦闘シーンにおける兵士の数がすごく多く、清側は軽く数千人はいたのではないでしょうか。その先頭にたって陣頭指揮をとる好古の付近では多くの日本人兵士が命を失っていきます。よく爆弾が爆発する原野を一台の車が疾走し、その左右で爆発するシーンをよく見ますが、まさに今回の好古も同じような感じです。ここで命を失っていてもおかしくなく、歴史上の人物として語られることもなかったでしょう。好古も真之も立場は違うけど、それぞれがリーダーとして活躍している様子は、薄氷の上を歩んでいるかのようにも見えます。

一方、子規は俳句への道を突き進んでいて、情景がみえるような作品を数多く世に送り出していましたが、心のどこかで真之や好古の姿に影響を受けていたのです。自分の病状が良くないにも関わらず、従軍し日清戦争の真の姿を見つめようとします。清では、日本人が来るとただ静かに黙ってにらみつけます。この感情は逆の立場であれば当然の行為だと思うのですが、このいたたまれない状況に対して正しいことを写実的に記事にするようにアドバイスするのが後の森鴎外である森林太郎でした。

戦争という状況の中で、とかく戦争自体が語られそのときに過ごした人々がどのように考えてきたのかが伝わりにくいのがこの時代なのですが、今回この物語を通じて戦争の正否という大きな考え方ではなく、時代を必死に生きた人の気持ちをうまく表現していて全く新しい楽しみ方ができています。次回は戦争からは少し離れて、人間性がどのように高まっていくのか、子規の病状など見たい内容盛りだくさんで、来週を待ちたいと思います。


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※一部、読者の方からのコメントを元に修正させていただきました。ご指摘ありがとうございます。

坂の上の雲 第3回「国家鳴動」

2009年12月 13日 By: ぺんぺん Category: 坂の上の雲 No Comments →

今回は主人公の3人を描く場面と、歴史的に重要な場面の2つがうまく混ざり合い全体としてバランスの取れた内容でした。あまりにも主人公ばかりに注目してしまうと、その背景となる歴史については軽くなってしまい非常に突拍子のない話となってしまい、逆に歴史の場面ばかりを描いてしまうと、教科書とかわらなくなってしまいます。そのバランスがうまく取れていたといえるでしょう。

主人公の3人もそれぞれの道にひたむきに突き進んでいました。正岡子規は肺結核を患ってしまいかっ血するも、新聞日本に入社し自分の道を信じて俳句の世界を深めようとしていました。ドラマ中にもコメントがありましたが正岡子規にはいい仲間を得る天才だったのかもしれません。新居に松山から律や母も呼び、それを夏目漱石が手伝っていました。なんと豪華なメンバーだと思っていたら、夏目漱石は「吾輩は猫である」の原案を惜しげもなく話していて、ニヤニヤしてしまいました。

真之は海軍で立派になりつつも、松山に帰ると陸軍兵ともめ事を起こし父親におさめてもらう一面もありました。この後、父である久敬は静かに息を引き取っていくことになります。伊東四朗の演技も素晴らしく、厳しくも中心となる部分で頼りになるアドバイスを与えてくれる立派な父親を演じてくれました。物語の中でこのように味があって重みを与えてくれる役者をどのくらい入れることができるかで、全体の品質を推し量ることができると思います。父が偉くではダメで、最低限食べさせるだけの援助はするけどそれ以上は自分で何とかしなさい。この助言は非常に大きく、父親としての偉大さを感じることができます。好古も、父親の死後に母親を東京に呼び、以前下宿していた佐久間家の娘である多美と結婚することになります。前々からお互いに好意を持っていたことがよくわかる二人であっただけに、なるほどという結果となりましたね。

こういった主人公の合間で、日清戦争に向かう首脳陣の苦悩をうまく表していました。特に伊藤博文や陸奥宗光、東郷平八郎といった人々がどのように考え、戦争を回避したり突き進んでいったのかを大物俳優の圧倒的な演技力で表現できていたと思います。以前長州藩が欧米との戦いで惨敗した経験を持つ伊藤博文と山県有朋の2人でも考え方が全く異なるのですから、伊藤博文も日清戦争回避は困難だったのも分かるような気がします。自分たちは歴史を知っていますが、伊藤の言うとおりこの時日本が敗北していたら、自分たちの今は絶対になかったでしょう。主人公の3人の姿も後世に残らなかったのです。

次回は、避けられなかった日清戦争が始まります。騎馬戦のシーンや海の戦いシーンも力を抜いておらず、スケールの大きさは保っています。これに演技力が加わり、どのように3人は巻き込まれていくのか楽しみにしたいと思います。


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