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国産にこだわることがエコなのか

2009年10月 04日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →

長らく12年もの間、多くの視聴者から支持を受け続いてきたテレビ朝日系の番組「素敵な宇宙船地球号」がこの度終了しました。世界で抱えている様々な環境問題や地球の危機を知る度に、自分たちに何ができるだろうと考えさせられるすばらしい番組でした。最近テレビ局の編成も予算の都合上厳しいものになり、コストが掛かる番組が次々と終了となる今、やむを得ない面もあったと思いますが、世界的にも日本としても環境問題に対する関心が高まっている時期の終了はなんだか寂しい限りです。

そして新しく始まったのが地球号食堂という番組。今まで慣れ親しんだものが変わったことによる違和感によるものなのかもしれませんが、どうもしっくりと来ないというのが印象です。もともとこの地球号食堂は素敵な宇宙船地球号のなかの一つの企画だったものですが、それが今回独立して後継番組となったようです。食材はすべて国産のものを使用し、おいしいものを作るというのが主な内容となっていて、毎回ゲストを迎えてエピソードやエコ活動の紹介をしながらも路線はグルメ番組といえます。

内容について今後どのように続いていくのかまだわかりませんが、今回最も感じたのは国産にこだわった食材で料理をすることが本当に環境問題への解決になるのか、ということです。100グラム700円する豚肉を購入して、なかなか手に入らない有機栽培で作った原料の調味料などは一般市民が手に入れることは難しいのが現状です。食育につながるというのであれば、もっと他に普通の人たちでも関心を高めるような提言はできると思います。例えば、ドギーバッグのような食べ残しを持ち帰ることや賞味期限切れの商品への取り組みなどたくさんあると思います。

この番組自体は、一つの方法を細分化して紹介する番組と割り切るとしても、国産食材だけを使うことがどのように環境問題への取り組みになるのか、続けて放送していくことの意味をもう一度しっかりと伝えて欲しいと思います。それと共に、素敵な宇宙船地球号のような世界で起こっていることを伝える質の高い番組がどこかで復活してほしいですね。

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(2008/02/08)
大橋マキ西田ひかる

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風力発電の意外な問題

2009年9月 30日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →

鳩山総理大臣が世界的に温暖化ガスを25%削減すると宣言するように環境問題に関心が高まりつつある今、石油などの化石燃料から太陽光発電や風力発電といった自然エネルギーを利用した発電システムの導入が各地で広がっています。風が強い海沿いなどには数多くの風力発電のための風車が並んでいるのを目にすることも多いのではないでしょうか。

しかし、この環境に優しいはずの風車には意外な問題をはらんでいる可能性があるというのです。その問題とは低周波音です。低周波とは100ヘルツ以下の音波のことをいい、さらに20ヘルツ以下の音波については超低周波音と呼ばれています。これらの低周波音は一般的に人の耳で感じることはできません。そのため低周波音が存在していることすらわからないのです。この低周波音が風車から出ていてそれによって体調に異変が生じてしまっている人が目立って多くなり始めているのです。以下にそれらの人々が申し出ている症状を示します。

「船酔いのような症状が出て、夜中に何度も目が覚めるようになった」
「頭の中が小刻みに震える」

これらの症状が出ている時には、決まって風力発電用の風車が回っていて回り始めると症状だ出るという人もいるくらいです。このことから風車と症状発症との間には何らかの因果関係があると疑うのが自然でしょう。環境省によると、低周波音に関する苦情は1990年代まで全国で年間40件前後だったのですが、2000年度は115件、07年度は181件と着実に増加傾向を示しているそうです。

この状況に対してこれまで環境省は慎重な姿勢を示していました。それは低周波に対する感じ方には個人差があり、低周波音が人に苦痛を与える原因も、苦情が増えている理由も分かっていないためだというのです。確実性がないのであればそれを調査すればいいのにと素人としては感じてしまうのですが、役所としてはそのあたりの順序が違うのかもしれません。しかし、苦情数がここまで大きくなってくると環境省も調査を開始せざるを得ないようで、2009年度から愛媛、愛知両県の風車の周辺で、低周波音と住民の健康状態の因果関係を調べることを決めたそうです。

これによって、何らかの因果関係をつかむことができたとき対策を打つ必要が出てくるでしょう。例えば、風車の近くに位相や振幅が異なる音波を出す装置を取り付けて、風車から出る低周波と合わせることによって、低周波をなくすこともできるかもしれません。住民が安全に暮らすことがまずは第一であり、この低周波問題によって自然エネルギー全体への印象が悪いものになってしまうのは避けなければなりません。環境省の今後の取り組みに自分たちは注目していく必要がありそうです。

【参考】YOMIURI ONLINE 2009年9月28日

http://www.yomiuri.co.jp/eco/news/20090928-OYT1T01234.htm

風の力で町おこし・村おこし 風力発電入門―地域エネルギー新時代風の力で町おこし・村おこし 風力発電入門―地域エネルギー新時代
(2005/02)
清水 幸丸

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後手に回るバイオエタノール政策

2009年9月 21日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →

かつてサトウキビを使ったバイオエタノール事業にいち早く着手したブラジルが今、その政策を大きく方向転換しようとしています。ブラジル政府は2009年9月、国内の92.5%の面積を対象にサトウキビ栽培を禁止する法案を提出したのです。

サトウキビは石油に代わるエネルギーであるエタノールを生み出すことができることから世界中で爆発的に栽培されるようになり、需要の高まりと共に価格の急騰が発生しました。当然多くの人がサトウキビをもっと栽培するようになり、熱帯雨林を多くもつブラジルでは、森林を密かに伐採してまで栽培する人まで現われました。

このようにして広がる森林破壊に対して、世界中から批判が起こるようになります。その批判への対応する狙いで、今回ブラジルの法律制定があると考えられています。この内容を報じている日本経済新聞では次のように記事をしめています。

「ブラジルのサトウキビ栽培面積は780万ヘクタールで国土の約1%。熱帯雨林や湿原はもともとサトウキビ栽培に向かず、法律が制定されても生産拡大にはほとんど影響が無いとみられる。」

果たしてそう言い切れるのでしょうか。これまで、様々なメディアでアマゾンの熱帯雨林で森林伐採し、焼き畑農業を行っている様子が示されています。その中には当然サトウキビ畑も存在するでしょう。統計では示されない実態がそこにはあるような気がしてなりません。

人は生活のため、生きるためにお金を稼ぎ、食べ物を入手します。そういった毎日の生活が苦しい状況下では、地球環境のことは二の次になってしまうのは容易に想像できることでしょう。法律というムチを与え取り締まることは必要なことではありますが、それでは根本的な解決は何もできません。

元々、バイオエタノール事業はエネルギーを得るためどこかに必ずひずみを生じさせる課題を抱えています。栽培していなかったものを大量に栽培することによる土壌への影響、元々必要とされ流通していたものへの影響などを考慮すると、非常に難しい舵取りが必要であり、それらは予め分かっていたことなのです。

作物から取り出すエネルギーには限界があることを、このブラジルの例からも学ぶことができるでしょう。自分たちは、太陽光や太陽熱、地熱、風力、海水といった自然界から得ることができるものを使ったエネルギーなど、バイオエタノールに代わる次世代のエネルギー源を早急に立ち上げる必要があるのではないでしょうか。

【参考】日本経済新聞 2009年9月18日

バイオエタノールと世界の食料需給バイオエタノールと世界の食料需給
(2007/10)
小泉 達治

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空から見た東京の素顔

2009年9月 14日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →

明治神宮

東京という都市圏は東京都心だけでなく周囲の都県を巻き込み巨大な人口3500万人の規模を作り上げる世界最大の大きさを形成しています。その巨大な都市圏は、遙か昔から作り上げられたものではなく、戦後の60年という短期間の間に作り上げられたものです。

明治や大正の時代、高層ビルはほとんどなく、一番高いのは凌雲閣で浅草十二階と呼ばれていました。この建物は関東大震災で倒壊してしまい今では残っていませんが、当時街自体もそんなに大きくなかった東京が、戦後大きく作り替えられていくことになります。

そんな東京の急激な開発は予想しなかった弊害を自分たちの生活にもたらし始めています。以前に紹介しましたが東京オリンピックを前に急ピッチでは作られた首都高速道路は川の上に作られることが多く、これによって風の流れが止められてしまいヒートアイランド現象を誘発してしまっていると考えられています。

また、高層ビルの集合体によって海からの風が止められて上昇気流が生じ、そこに急速に雲が発生して都市型のゲリラ豪雨を発生させるとしている報告もあります。ビルの付近を歩いているととてつもない突風を感じることがあります。離れるとぴたっと止むことからビルの影響であることが分かりますが、このような突風も多くの被害をもたらしているのです。

こういった都市の問題について、現在解決するための様々な取り組みが行われていますが、それらはまだ始まったばかり。すべては東京という街の未来予想図を作っておかなかったからこのようになったと指摘する人もいます。このような急激な都市の発展を予め予想していた人は多くないと思いますが、東京のど真ん中に未来を予見して作られた場所があります。

それが明治神宮なのです。100年も前に明治神宮の森の育成計画が持ち上がりました。明治神宮の森は人工の森で、昔は荒れた野原でした。1920年、そこに明治神宮を建設することになり、神社という永遠の時を刻む土地では荘厳さを森自体が演出する必要性があったのです。そのために、森自体がなるべく自然と同じようなライフサイクルで成長していく「天然更新ができる森を」作るために様々な努力が加えられたのです。

天然更新とは人の手を借りず自然の力で世代交代をすることで、そのためにまずは、大きなマツを植え、その次に背の小さいスギやヒノキなどの針葉樹を植えていきます。さらにその下にカシやシイなどの常緑広葉樹を植えることによって、50年後に針葉樹がマツの背の高さを超えてマツ中心の森からスギやヒノキ中心の森へ代わり、100年後には常緑樹が成長しうっそうとした森ができあがります。さらに150年後には常緑樹が針葉樹を追い越し、常緑樹中心の森が完成していくのです。

常緑樹は他の樹木と比べて大気汚染に強く、都市の環境に適しているのです。先人たちは東京の未来を予見していたからこそこのような仕組みを導入したのでしょう。神宮の森は当初の予定通り自然の力を利用して、世代交代を繰り返しています。

屋上緑化や街路樹を増やすなどの取り組みも始まっている東京という街は、これから100年後にどのような姿になっているのでしょうか。今その姿を予見することは非常に難しいことではありますが100年前の人々は同じことをやっているのですから不可能ではないはずです。自分たちの便利さだけを求める都市開発ではなく、後世に永遠の住みやすさを残していくような未来予想図を今こそ考える必要があるのです。

【参考】素敵な宇宙船地球号 2009年9月13日

都市環境デザインの仕事都市環境デザインの仕事
(2001/11)
不明

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桃源郷の巨大エレベーター

2009年6月 29日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →

中国湖南省の北西部に広がる景勝地である武陵源。ここには山水画のような雄大な風景が広がっています。天に届くかのような岩山とその間を流れる清らかな水の素敵なコントラストが世界遺産にふさわしいと認められ、1992年に登録されました。

それ以来多くの環境客が来るようになり、2008年は1,600万人のも観光客が武陵源を訪れています。その増え続ける観光客に対応するために取り入れられたのが指紋登録により入場チケットでした。武陵源の入り口付近に最新鋭の設備が導入され、以前あった不正入場もなくなったといいます。


◆武陵源の成り立ち
400km2もある広大な土地に、この奇妙な岩山ができあがった理由は約3億8千年前に遡ります。武陵源付近はかつて海の底でした。それが2億年前に石英砂岩と石灰岩によって2つの地層が形成され、それが隆起して造山運動によって亀裂が生じ、そこに雨が降り注いだ結果石灰岩の層が溶け出してしまったため、石英砂岩の部分だけが残った結果現在のような岩山が形成されたといわれています。


◆武陵源に存在する人工物
武陵源付近に存在する中国最大級の鍾乳洞である黄龍洞の内部にはカラフルな照明が輝いていてライトアップされています。少し派手なような気がしますが観光客には概ね好評だそうです。

武陵源の山の上にのぼるための百龍エレベーターもあります。パンフレットには「奇怪で険しい石峰にそびえ立っているあなたをハラハラドキドキさせながら絶景を楽しませる」とうたっており、326メートルを1分58秒で登り切ってしまいます。

このような世界遺産の観光地化に伴う人工建造物に関しては、景観と利便性をどのように両立させるかという難しい課題を残しているのです。世界遺産が観光地化することによって、働き場所が増え周辺地域も観光業というこれまでできなかった業種の産業を発達させることができるというメリットがある一方で、様々な問題も起こっています。


◆観光地化による問題
武陵源一帯に200年以上前から生活をしているトゥチャ族は田畑を耕しながら生きてきました。それが1992年の世界遺産登録に伴って激変するのです。村人達は次々とホテルやレストラン経営に乗り出していきました。こうして進みすぎた世界遺産の観光地化にユネスコは危機感を強め、地元行政も世界遺産保護条例を制定しました。

この条例は環境保護に影響のある建築物は撤去もくしくは移転しなければならないというものであり、その結果128件のホテルが取り壊されました。次第に武陵源の山上から先住民は消えていったのです。彼らは新しい場所に住む場所を与えられたのですが、一体誰のための世界遺産なのかと今でも疑問をもっています。

気になるのは百龍エレベーターもこの条例の対象になるのではないかということですが、オーナーによると、環境を保護する上で最善の方法はさっと上がってさっと降りることだといいます。ロープウェーだと1-2キロメートルもロープを張るから景観を損ねるのに対してエレベーターは面積が小さいから景観への影響が小さいと主張します。

この主張に対して早稲田大学の栗山浩一教授はこの主張は違うのではないかと疑問を呈すると共に、世界遺産はアクセスが悪いくらいの方が大量の環境客による生態系の影響などを最小限に抑えることができるのではないかと提案しています。


◆自然環境への影響
武陵源では豊かな清流が誇りでしたが、その川の水も汚水が流れ込むことによって汚れていきました。それによって、清流にすむことが知られているオオサンショウウオの個体数も大幅に減少してしまうという結果にまでなっています。さらに、野生のサルも人間が与える餌によって山から下りています。

地元では最新鋭の汚水処理センターを建設し、毎日清掃スタッフを投入して隅々まできれいにする活動を必死に開始することによって、いなくなりつつあるオオサンショウウオを繁殖させるために、日々努力をしています。


世界遺産のそもそもの目的は、かけがえのない景観を後世に残すことです。それが観光開発によって、逆に危機を招くという矛盾に自分たちはどのように取り組むべきか、そのことを自分たちに突きつけている一例なのです。

日本を含むその他の世界遺産の地で同じようなことが起こっています。対岸の火事では済まないこの問題に対して、自分たちの豊かさは今から未来を向くような仕組みや取り決め、考え方のCHANGEが必要な時期なのかもしれません。

【参考】素敵な宇宙船地球号 2009年6月28日

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