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ペットボトルから割り箸を

2011年11月 08日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →

現在、日本で年間に消費されている割り箸の数は約260億膳もあると言われていて、実にその9割以上が中国産であるといわれています。この中国と日本の比率の差は、国内産が2円から20円、中国産が1円から2円という圧倒的なコストの差に出ていると考えられます。

日本でも間伐材を利用した割り箸生産が推奨されはじめて久しいのですが、お弁当や飲食店といった業務用途で全体の8割消費されている現状を考えると、コストは避けて通れるものではありません。どうしても安くて手に入りやすい中国産の割り箸を利用しがちになってしまいます。

しかし、外国から輸入することによってリスクも当然あるわけで、中国が自国消費を優先させてしまうと供給量が大幅に減少してしまいます。コストを抑えた自国生産の割り箸というものが強く望まれているのです。

そんななか、山梨県の企業や団体がペットボトルの材料となるポリエチレンテレフタレート(PET)を使った割り箸の開発に国内で初めて成功したと発表しました。これによってリサイクルされたペットボトルから割り箸を作ることができる道筋ができたのです。

背景には、木製の割り箸が中国での需要拡大を受けて値上がりしていることがあり、取引先から「ペットボトルで箸が作れないか」という問い合わせが開発のきっかけだといいます。

500ミリリットルの廃ペットボトルを砕いたペレットから1膳から2膳製造でき、課題であったコストも1膳当たり5円弱で販売できそうだということで、以前の国内産の割り箸よりも圧倒的安価に大量に作り出すことができるようになるものとみられます。

このように、リサイクルを通じて安定的に割り箸を低コストで利用できるのは、環境負荷を抑えるだけでなく循環型社会の形成にも大きく寄与するところだと思います。今後、マイ箸、間伐材の利用の他に、このペットボトル製の箸という選択肢が加わることによって、自分たちの生活に触れる機会も多くなり、環境対策について考えることができる場が増えるのではないでしょうか。

◆参考  読売新聞 2011年11月2日

電力と温暖化ガスの天秤の行方

2011年9月 26日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →

先の震災を契機に原発に依存しない電力の創出に向けて様々な取り組みが活発化しています。その中で東京都の副知事が発表したのが「東京都天然ガス発電所」という構想です。都内に発電施設をつくり、そこでコンバインドサイクルと呼ばれる発電方式を使って100万キロワットもの発電能力のある施設が作られるといいます。この量は、原発1基分に相当する量になります。

コンバインドサイクルとは、ガスタービン、蒸気タービンのふたつを組み合わせた発電方式で、まず天然ガスを高温で燃やしてガスタービンを回します。その際に出る排熱で水を蒸気に変え、今度は蒸気タービンを回し効率的に熱を利用します。このふたつを合わせた発電効率は約60%であり、原発の約30%、蒸気タービンだけを利用する通常の火力発電の42%を大きく上回る、非常に効率に優れた発電方式だと期待されています。

この発電施設の原料となるものは天然ガスなのですが、ここにも大きなメリットがあるといいます。石油資源の枯渇が世界的に叫ばれている中で、天然ガスの埋蔵資源量は数百年分もあるといわれており、燃料不足を心配する必要は皆無です。さらに、天然ガスは東京湾や房総半島の地下など、南関東一帯に大量に眠っているとのことで、自活することができる夢のような循環が実現することになります。

ジャーナリスト・有賀訓さんによると、東京、千葉、茨城、埼玉、神奈川にまたがる120キロメートル四方のエリアに、南関東ガス田と呼ばれるメタンガスが大量に蓄積されていて、千葉県茂原市九十九里地域などは、天然メタンガスを含む地層が地表近くにまでせり出しているため、自宅敷地内にガス井戸を掘り、そこから取り出したガスで風呂たきや煮炊きをしている民家もあるほどだといいます。

さらに、天然ガス発電所の建設コストは原発の4分の1程度で、広い敷地を必要としません。また、たった1時間で最大出力にあげることができるので、貯めるコストのかかる電気を時々刻々と変わる需要に合わせてリアルタイムに作り出していくことができるのです。

まだ計画段階ではありますが、ここまで魅力の高い発電施設なので、今後計画自体が進展していくことは間違いないでしょう。

しかし、一つの疑問が残ります。それは、震災前まで多くの著名人が懸命に取り組んできた温暖化ガス削減への取り組みが、この議論の中に存在しないこと。メタンは強力な温室効果ガスでもあり、同じ量の二酸化炭素の21倍から72倍の温室効果をもたらすとされています。それを一気に活用しようというのですから、温暖化ガスの排出量はうなぎ登りに上昇していくことでしょう。

その問題をどのように解決していくのか、新たな資源エネルギーの活用は常にその検討が必須なのだと思います。そして、それを伝える側としても厳しくチェックする目をもっていかなくてはならないのではないでしょうか。その結果、新たな問題を発生させることなく、気持ちよく利用できる電気になってくれれば、そんな嬉しい世界はないでしょう。

【参考】週プレNEWS http://wpb.shueisha.co.jp/2011/09/26/7109/

大転換する日本のエネルギー源 脱原発。天然ガス発電へ (アスキー新書)大転換する日本のエネルギー源 脱原発。天然ガス発電へ (アスキー新書)
(2011/08/10)
石井彰

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マイボトルやマイカップを持く先にあるもの

2011年7月 31日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →

最近、会社の中を見渡すと家からコーヒーなど入れたマイボトルを持ってきている人を多く見かけるようになりました。その一人に聞いてみると、その方が安く抑えることができるという経済意識から多少持ち歩きが重くなっても、実践しているといいます。

今、環境省では水筒やタンブラーなどマイボトル・マイカップの使用を呼びかけて、ゴミや環境負荷を減らすことを目指す「マイボトル・マイカップキャンペーン」を実施しています。この運動では、「環境負荷を低減させるため」という理由だけで推進するのではなく、協賛してくれる企業から「何かいいこと」が提供される側面もあるということから、キャンペーンは広がりつつあるとのこと。

こうした状況を見てみると、改めて環境問題はそれを実践するモチベーションを、いかに身近な問題に落とし込むことができるかが重要な鍵を握っているかを再認識させられます。

人は地球環境が温暖化になり、今後の生活に支障を来す可能性が高いことを十分に認識しています。最近のとあるテレビでも、北海道の霧の名所である摩周湖付近で発生する霧の年間発生回数が減少している状況を温暖化によるものではないかと推測していましたが、数十年レベルで徐々に現れる事象でもあります。

しかし、それを危機的な状況だとして、自分たちが今得ている便利な生活をすぐに手放す動機に直結し、大多数の人が同じ方向を向くためには、もう少しだけ工夫がいります。それが、身近ないいことに結びつけるという考え方。例えば、スーパーでレジ袋を断るともらえるエコポイントのようなものがそれに該当します。

こういった、目の前にあるいいことを体験し、ちょっとだけいいことをした気持ちになれるとともに、お得でもある、さらにそれが将来的に自分たちの子供たちのためにもなるという流れを多くの場面で構築してあげることが求められているのです。

そういう意味で、「マイボトル・マイカップキャンペーン」は自分で持ち歩いているボトルやカップをお店で出すことによって、安くなったり、量が多くなったり、通常はない味を楽しめたり、といった特典を感じることができることから広がりを見せているのだと思います。

このようなお得の先にある環境負荷低減施策が、もっと他の分野においても広がるように仕掛けていければいいと思います。例えば、スーパーに容器持参で刺身やフライを購入したら増量してくれる、自転車や公共交通機関を使うとエコポイントが付く、といったものが挙げられます。こうした取り組みの向こう側に、多少不便でもみんなが納得して自ら行動できる世界が待っているではないでしょうか。

【参考】環境goo http://eco.goo.ne.jp/news/ecotrend/ecotrend_20110707_354.html

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「モンゴルの悩み」から何を学ぶか

2011年1月 25日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →

2011年1月24日の日本経済新聞夕刊に掲載されている伊藤忠商事会長 小林栄三さんのコラムでは、モンゴルが今抱えている問題について触れています。

それは、モンゴルの大気汚染についてです。モンゴルの首都ウランバートルへの人口集中は東京の比ではなく、モンゴル全体の人口273万人に対してウランバートルの人口が111万人と約41%にも及びます。他の都市の人口が8万人以下であることからもいかに人口が首都に集中しているかが分かると思います。

そのモンゴルでは、遊牧生活をしてきた人がそのままウランバートルでもテント生活を送ることから、極寒の冬には燃やした大量の石炭などでむせてしまい気管支炎になる人も増加しているとのこと。日本はもっともっと協力の手をさしのべるべきだと小林会長は締めくくっています。

この記事から、自分たち日本人は何を学ぶことができるでしょうか。かつての日本では高度経済成長の時代、公害問題が各地で起こりました。同様に産業革命期のイギリスでも、近年の中国でも同様の問題が起こっています。国が冨を求め人々が生きていくために豊かさを貪欲に求める時、環境問題は二の次の問題となります。周囲がそれを非難したとしても、生きようとする欲求は術にも勝るのです。

この時、すでに豊かさを得ている国がこういった国に対して半ば強制的に抑えようとすれば、反発だけを与得てしまうことになるのです。

では、このモンゴルの問題から自分たちはどういったアプローチをすることができるのでしょうか。ひとつの考え方として、双方にメリットがあればいいというものがあります。大気汚染をするようなものを抑えることがビジネスになり、それは同時に途上国にとっても収入減や節約になるのだとしたら双方が目的に向かって努力するでしょう。

例えば、先進国が環境に配慮したものや技術を提供し、それを途上国が利用することによって、今までよりも電気代や燃料代を節約することができるということが考えられます。移住した人用の住居を作り、そこに住まわせることによって都市開発も進みますし、環境負荷を抑えることもできます。そういった環境ビジネスが途上国自身の雇用につながれば、まさに一石二鳥でしょう。

すぐにゴールに向かうことはできないかもしれませんが、一方に負担が及ぶような制度や考えは、いずれ破綻を来たし環境へのモチベーション低下にもつながります。今こそ世界的な規模で、win-winになれる技術の相互協力が求められるのではないかと思います。

【参考】日本経済新聞 2011/01/24

COP10にみる生物多様性の思い

2010年12月 29日 By: ぺんぺん Category: 環境問題 No Comments →

現在地球上には、科学的に明らかになっている生物が約175万種、未知のものを含めると約3000万種もの生物が存在するといわれています。それら多様な生物は、これまでの進化の過程で環境になじむために自らに「機能」を持たせてきました。

その機能は、生物が自らを守るために身につけたものなのですが、それを人間は薬という形で利用するようになります。始めは原住民から、そしてそれに目をつけた先進国の製薬会社へと利用者が広がっていきます。利用者が広がっていけば、その生物を多く捕っていかねばなりません。

機能を持った生物の多くは、発展途上国に存在しています。彼らは、生物にどのような機能があるのかということよりも、今その生物が高値で売れるという直近の暮らしを考え、より多く採取しようと考えるようになりました。その結果として、一部の生物は絶滅が危惧されるまでに激減してしまう結果をもたらします。

そういった多様な生物の生態系を守り、機能を自分たちが将来にわたって、みんなが納得する形で利用し続けるにはどうしたらいいのかを話し合う国際会議がCOP10であり、2010年に名古屋国際会議場で日本が議長国として行なわれました。

その場で主に議論となったのは、先進国が主に発展途上国から採取している生物資源の利益配分に関する国際的な枠組みを作ることにあります。この問題は国の利益に直結する問題なので利害が対立しやすくとりまとめることは困難であると言われてきて、実際にそうなりました。環境問題であることは認識しつつも、自分たちが損になるようなことはできるだけ避けたいという相反する思いを結びつける必要が議長国である日本にはあったのです。

議論するうちに、この生物を薬品に使う際の資源国と利用国の利益配分に関して、以下のように様々な課題があることが浮き彫りになります。

(課題1)主な原産国以外から発見した生物から薬品が作られた等の国境をまたぐ場合に、原産国と発見した国のどちらが資源国となるのか。

(課題2)生物から採取した物質を人間が化学合成した場合には、資源国にどう配分するのか。

(課題3)条約が締結される以前にさかのぼって資源国から採取された生物を利用国が利益配分するべきか

どれも非常に重い問題であり、実際アメリカなどはこれらに独自の考えを持っているため条約に批准はしていません。非常に判断が難しい枠組み作りであり先進国と発展途上国の間の議論は平行線のまま閉幕期限に近づいていってしまいます。

このままだと議長国としての威信に関わる日本は、ここから素晴らしい仕事をすることになります。関係国が示した譲歩案をとりまとめ、見事に議長案を採択することに成功します。

その内容は、資源国の間で基金を設立し利用国はそこに生物資源やその知識を利用して得た利益を配分します。それを資源国の間で分配するのです。またさかのぼって利益を配分するかの決定と化学合成物質への適用は今回見送りとなり今後の継続審議となりました。

今回の採択は、利益をきちんと配分し資源国がその資金を利用して生物保護に取り組み、そして利用国はルールに則って薬品を利用できるという枠組みを作れたことに大きな意義があります。利害が交錯する中、世界の人々が同じ問題意識をもち、それを解決しようと努力した結晶なのです。その中で日本が議長国として果たした役割は本当に大きく、日本人として誇りに思います。

こうしてできた名古屋議定書は、まだ始まりに過ぎないことは誰もが思っていること。まずはしっかりと批准した国々でルールを適用し生物資源が守られているという実績を作らないと、これから先につながってはいきません。そういう意味で資金を提供する利用国も、その資金を利用する資源国も成果が求められるのです。

いのちのつながり よく分かる生物多様性いのちのつながり よく分かる生物多様性
(2009/04/25)
香坂 玲

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