窒息する東京湾を救え
千葉県は姉崎付近の東京湾
今日もこの東京湾の水中を撮影しているのは、水中撮影の第一人者である中村征夫さんです。中村さんが東京湾の水中を撮影し始めたきっかけは、江戸前を食いたいということから始まったそうです。
この「江戸前」というのは、かつては江戸城のすぐ前に広がっている海のことを指したのですが、時が経ち東京と名前が変わった今でも、その精神は引き継がれていて活発に漁業活動が行われています。
江戸前といって真っ先に思いつくのは、「アナゴ」なんじゃないでしょうか。江戸前のアナゴは、味がしっとりとしていて身が柔らかくてすごく美味しいそうです。今でも東京には江戸前しか使わないというお店もかなり残っています。
その他、スズキについては水揚げ日本一は東京湾というのですから驚きです。このように東京湾の水産資源が豊かな理由は、大小120もの河川が流れ込み、豊富な栄養分を東京湾へと提供しているからだと言われています。
しかし、最近問題が発生しています。江戸前のネタとして有名な「小柴のシャコ」が突然東京湾からいなくなってしまったのです。かつて1980年代後半までは横浜付近で獲れていたのですが、1990年代に700トン近かった漁獲量も今では10分の一程度にまでなっているのです。
禁漁によって、激減を阻止するといった対策も緊急でとられてはいますが、不漁の根本的な原因が今もなお分らないそうです。シャコだけではありません。1960年代に10万トン近い漁獲量を誇っていた東京湾の水揚げ量も今では5分の一程に減少してしまいました。
このように、姿を消す江戸前の魚たち。1970年代以降、水質汚濁防止法によって水質はかなり改善しているにも関わらず、魚が減っているのはなぜでしょうか。その理由をお台場の海で見つけることができます。
お台場の海の底はかなり濁っており、魚の姿を見つけることはできません。さらに海底にはあついヘドロの層が形成されていて、少し触っただけで辺りの視界を奪ってしまうほどヘドロが巻き上がります。
ヘドロの正体は生活排水に含まれるミネラルである「リン」が要因の一つであるとされています。リンは汚染物質ではないので、東京の下水処理施設で処理は徹底されておらず、およそ半分程度しか除去されません。
また近年のゲリラ豪雨によって、処理しきれなくなってしまった雨水は家庭からでた生活排水を巻き込みながら、処理されることなくそのまま東京湾へ流れ込んでしまっています。
その結果として、東京湾にはリンが流れ込むこととなり、これを栄養源にしたプランクトンによって赤潮が発生します。赤潮が発生しそれらの死骸は海底に溜まってヘドロになるのです。
水中カメラマンの中村さんは、今年5月から数ヶ月経って再び東京湾の姉崎付近へ潜ってみることにしました。すると、生き物の姿がほとんどいなくなってしまっている状況が広がっていて、白い海底がそこにはありました。
海底が白くなっている原因はバクテリアの繁殖です。ヘドロを分解しようとして大量のバクテリアが発生し、バクテリアが分解の際に使用する酸素を大量に消費したことによって、海の中が酸素不足に陥ってしまったのです。このように酸素不足の場所である「貧酸素水塊」が今、急速に東京湾に広がっているそうです。
窒息する危険性をもった東京湾を救出するために、試みが始まっています。
1)リンを除去する処理施設
砂町水再生センターでは、リンの大部分を除去できる新しい仕組みを取り入れています。生活排水をリンを吸収する微生物が存在する層に通し、リンを含んだ沈殿泥として分離させるのです。
2)リンの有効活用
上記でできた泥をこれまでは焼却後埋め立て処分にしていたのですが、ただ埋め立てるのではなく、岐阜にあるリン回収実験プラントでは泥からリンだけを取り出そうとしています。リンは、農作物の肥料であり、その肥料のほとんどを外国から輸入しています。しかし、今値段が2倍にも高騰しているなか、泥から分離されたリンをリン酸カルシウムとして再び肥料として使用するサイクルができているのです。まさに、不用品からリサイクルできる一石二鳥の施策といえます。
我々の生活の中でも、新聞紙等で吸い取って焼却ゴミに回すなど、生活排水をできるだけ流さないようにする工夫はできると思います。東京湾を汚しているのも自分たち。
すこしだけ東京湾の魚のことを思い出して欲しい。
それが中村さんの願いです。
【参考】素敵な宇宙船地球号 10月12日
![]()
★魚っち楽天限定品!★10%OFF【高級ブランド】天然江戸前あさり 1.5kg【高級ブランド】江戸…

【送料無料】寿司屋ご用達☆江戸前海苔(のり)の本場、木更津の出来立て新海苔10帖(100枚)【…


